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こんにちは、大原です。
前回(鍼灸甲乙経を読む その29)
の続きです。
<原文>
是故日行一舍、人氣行一周與十分身之八。
日行二舍、人氣行三周與十分身之六。
日行三舍、人氣行於身五周與十分身之四。
日行四舍、人氣行於身七周與十分身之二。
日行五舍、人氣行於身九周。
日行六舍、人氣行於身十周與十分身之八。
日行七舍、人氣行於身十二周在身與十分身之六。
日行十四舍、人氣二十五周於身有奇分、與十分身之四。陽盡於陰、陰受氣矣。
其始入於陰、常從足少陰注於腎、腎注於心、心注於肺、肺注于肝、肝注于脾、脾復注於腎、爲一周。
是故夜行一舍、人氣行於陰藏一周與十分藏之八、亦如陽之行二十五周、而復合於目。
陰陽一日一夜、合有奇分十分身之二與十分藏四。
是故人之所以臥起之時有早晏者、以奇分不盡故也。
曰
「衞氣之在於身也、上下往來無已、其候氣而刺之奈何?
曰
「分有多少、日有長短、春秋冬夏、各有分理、然後常以平旦爲紀、夜盡爲始。
是故一日一夜水百刻、二十五刻者、半日之度也。
常如是毋已、日入而止、隨日之長短、各以爲紀。
謹候氣之所在而刺之、是謂逢時。
病在於陽分、必先候其氣之加在於陽分而刺之。
病在於三陰、必先候其氣之加在陰分而刺之。
謹候其時、病可與期、失時反候、百病不除。
<読み>
このゆえに日行くこと一舍には、
人氣は一周と十分身の八を行く。
日行くこと二舍には、人氣は身の三周と十分の六を行く。
日行くこと三舍には、人氣は身の五周と十分の四を行く。
日行くこと四舍には、人氣は身の七周と十分の二を行く。
日行くこと五舍には、人氣は身の九周を行く。
日行くこと六舍には、人氣は身の十周と十分の八を行く。
日行くこと七舍には、人氣は身の十二周在と十分身の六を行く。
日行くこと十四舍には、人氣は身を二十五周し奇分十分身の二とあり。
陽は陰に尽き、陰は氣を受く。
その始めて陰に入るや、常に足の少陰より腎に注ぎ、
腎より心に注ぎ、心より肺に注ぎ、肺より肝に注ぎ、
肝より脾に注ぎ、脾よりまた腎に注いで、一周と為す。
この故に夜行くこと一舍に人氣は陰に行くこと一周と十分藏の八なり、
また陽のごとく行くこと二十五周にしてまた目に合す。
陰陽一日一夜に、奇分十分身の二と十分藏の四を合す。
この故に人の臥起の時に早晏あるゆえんは、
もって奇分尽きざるがごときゆえなり。
曰く
「衛気の身に在るや、上下の往来は已むこと無し、
その気を候いてこれを刺すはいかん?」
曰く
「分に多少あり、日に長短あり、
春秋冬夏には各々分理あり。
然る後常に平旦を以て紀と為し、夜尽くるを始と為す。
この故に一日一夜に水は百を刻み、二十五刻なる者は半日の度なり。
常にかくのごとくして已むこと毋く、日入りて止む、
日の長短に隨いて、各々もって紀と為す。
謹みて氣の所在を候いてこれを刺すなり、
これを時に逢うというなり。
病、陽分に在らば、必ず先ずその氣の陽分に加えて在るを候いてこれを刺す。
病、陰分に在らば、必ず先ずその氣の陰分に加えて在るを候いてこれを刺す。
謹みてその時を候い、病と期とをともにすべし、
時を失して候に反すれば、百病除かれず。
<意味・まとめ>
衛気は昼間は人体の外側をめぐるが(前回の記事を参照のこと)
夜間は陰分にいき腎からめぐるとあります。
治療においては、
病が陽分にあるのか、
陰分にあるのかをうかがって
刺鍼をすべきであり、
もしそうでなければあらゆる病を
取り除くことはできないとあります。
参考文献
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍
興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。