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こんにちは、大原です。
前回(鍼灸甲乙経を読む その24)の続き
になります。
<原文>
曰「夫經水之應、經脉也、其遠近淺深、水血之多少、各不同、合而以刺之奈何?」
曰「足陽明五藏六府之海也、其脉大血多氣盛熱壯、刺此者、不深弗散、不留不寫。」
足陽明多血気、刺深六分、留十呼。
足太陽多血気、深五分、留七呼。
足少陽少血気、深四分、留五呼。
足太陰多血少気、深三分、留四呼。
足少陰少血多気、深二分、留三呼。
足厥陰多血少気、深一分、留二呼。
手之陰陽、其受氣之道近、其氣之來疾、其刺深皆無過二分、留皆無過一呼、
其少長小大肥痩、以心撩之、命曰法天之常。
灸之亦然、灸而過此者、得惡火、則骨枯脉濇、
刺而過此者、則脱氣。
<読み>
曰く
「それ経水の応、経脈なり。
その遠近・浅深、水血の多少、各同じからず。
合してもってこれを刺すには奈何にするや?」
曰く
「足の陽明は五蔵六府の海なり、
その脈は大、血多く、氣盛んに、熱壮んなり。
これを刺す者、深からざれば散ぜず、留めざれば寫せざるなり。」
足の陽明は血気多く、刺すこと深さ六分、留むること十呼。
足の太陽は血気多く、刺すこと深さ五分、留むること七呼。
足の少陽は血気少く、刺すこと深さ四分、留むること五呼。
足の太陰は血多く気少く、刺すこと深さ三分、留むること四呼。
足の少陰は血少く気多く、刺すこと深さ二分、留むること三呼。
足の厥陰は血多く気少く、刺すこと深さ一分、留むること二呼。
手の陰陽は、その氣を受くるの道近く、その氣の来たること疾し。
その刺すこと深きものも、皆二分を過ぐること無し。
その留むることも皆一呼を過ぐること無し。
その少長小大肥痩には、心をもってこれを撩む。
命じて天の常に法るという。
これを灸するもまた然り、
灸にしてこれを過ぐる者は、悪火を得るときは則ち骨枯れ脉濇す。
刺してこれを過ぐる者は則ち脱氣す。
<意味>
十二の河水は、十二経脈と相互に関係しているので
その遠近・浅深、水血の多少はそれぞれ異なります。
それらを総合してこれを刺鍼するにはどのようにするのか?
足の陽明は胃であり、五臓六腑の海で、
その脈は大きく、血は多く、氣は盛んであり、熱は壮であります。
したがってこれを刺す場合においては
深く刺さなければ邪気を散ずることはできませんし、
またしばらく置鍼しなければ病邪を瀉することはできません。
足の陽明は血気が多く、刺鍼の深さは六分、置鍼の時間は十呼吸とします。
足の太陽は血気が多く、刺鍼の深さは五分、置鍼の時間は七呼吸とします。
足の少陽は血気が少く、刺鍼の深さは四分、置鍼の時間は五呼吸とします。
足の太陰は血が多く気は少く、刺鍼の深さは三分、置鍼の時間は四呼吸とします。
足の少陰は血が少く気は多く、刺鍼の深さは二分、置鍼の時間は三呼吸とします。
足の厥陰は血が多く気は少く、刺鍼の深さは一分、置鍼の時間は二呼吸とします。
手の三陰三陽におきましては、
その分布区域がすべて上半身にあるためその気を受ける道程も近く、
その気の来るのも早いので、
刺鍼の深さも皆二分を過ぎるようなものはなく、
また置鍼時間も一呼吸を過ぐることはありません。
ただ、病人の年齢の少長、身体の小大、
体格の肥痩などのことがありますので
それらについては
医師の心の中にある基準にしたがって適当に決定すべきもので、
それを天の常にのっとると申すのであります。
灸をする場合も同様です。
灸をする場合に一定の限度を超えて過となりますと、
いわゆる悪火の害を受けて
骨が枯れたり脈がしぶったりします。
刺鍼の場合にも度を越すと
正気が脱離して脈沈小遅の状態となります。
鍼治療をするには、置鍼時間や深さなど、
その人の身体の状態に適した治療が大事であり、
また経脈ごとに気血の多少の違いがあるので、
その違いも踏まえて治療することが重要である
と書かれています。
写真は、一鍼堂本院から徒歩30秒にある
「麺の鴨匠」の白ラーメンです。豚骨です。
鴨のチャーシューと、トロトロの豚骨スープ、
柔らかい太麺がマッチして美味しかったです!
ここは黒ラーメンもあってどちらにするか迷いました。
(黒は醤油味のようです。)
参考文献
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍
興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。