<近日開催予定のイベント情報>
9月1日(日)に学生向け勉強会を開催します。
詳しくはこちら→https://www.1sshindo.com/blog/zenith18896/


どうも、新川です。

福井県立恐竜博物館 スロープから全体を眺める
福井県立恐竜博物館 スロープから全体を眺める

福井市内からは、
高速道路(中部縦貫自動車道)をつかって勝山ICでおり、
しばらく勝山市内を走ると巨大な卵型の建物が現れます。

館内に入ると、全体が吹き抜けになっており、
エレベーターで展示ゾーンへと移動すると、
恐竜の化石をはじめとする様々な展示が目白押しでした!

こんな巨大な生物が地球にいたのかと思うと、
ドキドキしちゃいますね。


さて、ここからが本題です。

前回に引き続き、
巣元方らが著した
諸病源候論を読んでいきたいと思います。

前回までの記事はこちら
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 中風候 其ノ一
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 中風候 其ノ二
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風懿候 
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風口噤候 
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風舌強不得語候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風失音不語候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痙候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の角弓反張候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の口喎候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 柔風候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痱候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の腲退候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風偏枯候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の身体手足の不随候


《原文》
風半身不随者、
脾胃気弱、血気偏虚、為風邪所乗故也。
脾胃為水穀之海、水穀之精、化為血気、潤養身体。
脾胃既弱、水穀之精、潤養不周、致血気偏虚、而為風邪所侵、故半身不随也。
診其脈寸口沈細、名曰陽内之陰、病苦悲傷不楽、悪聞人声、少気、時汗出、臂偏不挙。
又、寸口偏絶者、則偏不随。
其両手尽絶者、不可治也。


風の半身不随は脾胃の虚弱であることによって、
半身の血気が不足し、その虚に乗じて風邪が侵襲して起こるものである。
脾胃は水穀の海であり、水穀の精微を運化(消化吸収し、その養分を全身に運ぶ作用)し、
それが変じて血気となり、全身を滋潤し栄養する。
脾胃の気が虚弱であれば水穀の精微は運化されず、
身体を潤養できるほど気血が循環せず、
半身の血気が虚してしまい、そこに風邪が侵襲して半身不随の病証が出現する。
その脈を診ると寸口が沈細である。
これは陽位に陰脈が現れているので、
「陽内の陰」という。
その証候は苦しみが多くて悲傷して心楽しまず、
人の声を聞くことを嫌悪し、息切れがし、時に汗が出て、
一側の臂腕を挙げることができない。
また、一側の寸口の脈が絶えて至らないものは半身不随となす。
もし両手の寸口の脈がともに絶える者は予後不良である。

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陽内の陰:脈の浮を陽とし、沈を陰とする、
また関部より前を陽とし、関部よる後を陰とする。
いま寸口の脈に沈細現れているので、
「陽内ノ陰」と称するのである。


参考文献:
『東洋医学概論』医道の日本社
『黄帝内経素問』
『黄帝内経霊枢』
『中国医学の歴史』
『中国鍼灸各家学説』
『中医学の基礎』東洋学術出版社
『校釈 諸病源候論』緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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