<近日開催予定のイベント情報>
9月1日(日)に学生向け勉強会を開催します。
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こんにちは、大原です。
前回の続きです。
(前回の記事:その19 胆の状態を知るには
過去記事の一覧は、記事の一番下にあります。)
今回は、六腑の内の、
三焦・膀胱の状態を知る方法についてです。
今回で、第5章の
「五臓の二十五変と六腑の関係」が最後となります。
<原文>
腎應骨、
密理厚皮者三焦膀胱厚、
粗理薄皮者三焦膀胱薄、
腠理疏者三焦膀胱緩、
皮急而無毫毛者三焦膀胱急、
毫毛美而粗者三焦膀胱直、
稀毫毛者三焦膀胱結。」
曰
「厚薄美惡、皆有形、願聞其所病。」
曰
「各視其外應、以知其内藏、則知所病矣。」
<読み>
腎の応は骨なり。
密理厚皮なる者は三焦膀胱厚し。
粗理薄皮なる者は三焦膀胱薄し。
腠理疏なる者は三焦膀胱緩るむ。
皮急にして毫毛無き者は三焦膀胱急なり。
毫毛美にして粗なる者は三焦膀胱直なり。
毫毛稀なる者は三焦膀胱結するなり」と。
曰く、
「厚薄美惡は、皆形有り、願わくば其の病む所を聞かん」と。
曰く、
「おのおのその外応を視て、以てその内藏を知るときは
則ち病む所を知るなり。」
<意味>
腎の内は三焦膀胱に合し、外は骨に対応するものであります。
皮膚のきめこまやかでその紋理の緻密なものは三焦膀胱も厚く、
皮膚痩薄で紋理の粗のものは三焦膀胱もまた薄く、
腠理疏なものは三焦膀胱の気も緩んでおり、
皮膚緊張して毫毛のないものは三焦膀胱の気もまた緊張しております。
豪毛が美しく粗なるものは三焦膀胱の気もまた伸展して伸びております。
豪毛が稀少なものは三焦膀胱の気もまたむすばれているのであります」と。
「五臓六腑の堅厚脆弱、またその機能が正常であるか否かということは、
すべて一定の差異のあるものであろうが、それによってどこに病があるのかということを
聞かせて下さらんか」と。
「その対応する皮肉筋骨等を観察して
外表に現れている症状によって内臓の変化そ測知し、
従って病の発生部位を知ることができるのであります」と。
参考文献
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍
興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。
<今までの「鍼灸甲乙経を読む」過去記事>
鍼灸甲乙経 巻之一
第1 精神と五臓
●その1 前半
●その2 後半
第2 五臓の五変と五腧
●その3 全文
第3 五臓六腑の陰陽表裏
●その4 全文
第4 五臓と五官
●その5 前半
●その6 後半
第5 五臓の二十五変と六腑の関係
●その7 総論、心
●その8 肺、肝
●その9 脾、腎
●その10 心の状態の観察
●その11 肺の状態の観察
●その12 肝の状態の観察
●その13 脾の状態の観察
●その14 腎の状態の観察
●その15 五臓の全悪吉兆
●その16 六腑の合
●その17 大腸と小腸の状態を知るには
●その18 胃の状態を知るには
●その19 胆の状態を知るには