こんにちは、大原です。
前回の続きです。
(前回の記事:
その18 胃の状態を知るには
過去記事の一覧は、記事の一番下にあります。)

今回は、六腑の内の、胆の状態を知る方法についてです。

<原文>
肝應筋、爪厚色黄者膽厚、

爪薄色紅者膽薄、
爪堅色青者膽急、
爪濡色赤者膽緩、
爪直色白、無約者膽直、
爪惡色黒多紋者膽結。

<読み・漢字の解説>
肝の応はなり。(『霊枢』では「」)
爪厚く色黄なる者は膽厚し。

爪薄く色紅なる者は膽薄し。
爪堅にして色青なる者は膽急なり。
爪濡にして色赤き者は膽緩む。
爪直にして色白く約無き者は膽直なり。
爪惡色にして黒く紋多き者は膽結するなり。

<意味>
肝は筋と相応じております。
爪が厚くて黄色を帯びているものは胆嚢の壁も厚いことを示し、
爪が薄くてその色が紅なるものは胆嚢の壁も薄いものであります。
爪が堅くその色の青味を帯びているものは胆嚢が緊張状態であります。
爪が潤い赤色を帯びているものは胆嚢が緩んでいるものであり、
爪がまっすぐに伸びて白色を帯び約紋のないものは胆気伸展して伸びております。
爪の色がなんとなくさえないで黒ずんでおり
紋の多いのは胆嚢の伸びも悪いものであります。

<漢字の解説>
:ここでは、一線に細くしめくくられてできたスジのこと。約紋。

惡色:俗に色がさえないこと。何となく黒ずんでつやの無い色である。

帰り道にて  気になるお店がたくさんあります。

参考文献
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍

興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。


<今までの「鍼灸甲乙経を読む」過去記事>
鍼灸甲乙経 巻之一

 第1 精神と五臓
  ●その1 前半
  ●その2 後半
 第2 五臓の五変と五腧

  ●その3 全文
 第3 五臓六腑の陰陽表裏

  ●その4 全文
 第4 五臓と五官

  ●その5 前半
  ●その6 後半
 第5 五臓の二十五変と六腑の関係

  ●その7 総論、心
  ●その8 肺、肝
  ●その9 脾、腎
  ●その10 心の状態の観察
  ●その11 肺の状態の観察
  ●その12 肝の状態の観察
  ●その13 脾の状態の観察
  ●その14 腎の状態の観察
  ●その15 五臓の全悪吉兆
  ●その16 六腑の合
  ●その17 大腸と小腸の状態を知るには
  ●その18 胃の状態を知るには

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