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こんにちは、大原です。
冷たいものを飲みすぎて胃腸が弱った結果、
夏バテしてしまうケースが多いですが、
皆さん大丈夫ですか?
さて、前回の続きです。
(前回の記事:
その15 五臓の全悪吉兆
過去記事の一覧は、記事の一番下にあります。)

<原文>

「願聞六府之應。」

「肺合大腸、大腸者、皮其應也。
『素問』曰「肺之合皮也、其滎毛也、其主心也。」
心合小腸、小腸者、脉其應也。
『素問』曰「心之合脈也、其滎色也、其主腎也。」
肝合膽、膽者、筋其應也。
『素問』曰「肝之合筋也、其滎爪也、其主肺也。」
脾合胃、胃者、肉其應也。
『素問』曰「脾之合肉也、其滎唇也、其主肝也。」
腎合三焦膀胱、三焦膀胱者、腠理毫毛其應成。
『九巻』又曰「腎合骨。」
『素問』曰「腎之合骨也、其滎髪也、其主脾也。」

<読み>
曰く
「願くは六府の応を聞かん。」
曰く
「肺は大腸と合す、大腸なる者、皮その応なり。
『素問』曰く「肺の合は皮なり、その滎は毛なり、その主は心なり。」

心は小腸と合す、小腸者、脉その応なり。
『素問』曰「心の合脈なり、その滎色なり、その主腎なり。」

肝は膽と合す、膽者、筋その応なり。

『素問』曰「肝の合筋也、その滎爪なり、その主肺なり。」

脾は胃と合す、胃者、肉その応なり。

『素問』曰「脾の合肉なり、その滎唇なり、その主肝なり。」

腎は三焦膀胱と合す、三焦膀胱なる者、腠理毫毛その応なり。

『九巻』また曰く「腎は骨に合す。」
『素問』曰く「腎の合骨なり、その滎髪なり、その主脾なり。」

さて、内容についてですが、
ここではいわゆる「五臓六腑」の「六腑」が
合い応じる部位について述べられています。
臓と腑の表裏関係が出てきています。
この中で何回も「」「」の文字が出てきますが、
その意味するところはなんでしょうか?

「合」:二つ以上のものがいっしょになる。あう。あわせる。
「応」:呼びかけ・問いに答える。返事する。
    →受け止めて反応をあらわす。ある刺激に対して起こる手応えをいう。

つまり、ここでの意味は
肺と大腸とは、その本来の任務は異なるものであっても
共に皮膚の機能を主る点においては1つ」と言うことであり、
このような場合に
肺と大腸とは「合なり」となるということです。

訳文を書いていくと
「肺は大腸と合し、大腸は皮膚がその応であります。
『素問』(五蔵生成論篇(第10))に、
「肺の合は皮なり、その滎は毛なり、その肺を制御するのは心である。」とある。

「心は小腸と合し、小腸は血脈と相応ずるものであります。
『素問』に、「心の合は脈なり、その滎は色なり、その心を制御するのは腎である。」とある。

・・・(中略)・・・


腎は三焦膀胱と合し、三焦膀胱は、腠理毫毛相応ずるものであります。

『霊枢』(五色篇(第49)(また『素問』五蔵生成論篇(第10))にも)に、
「腎は骨に合す。」とあり、

『素問』に「腎の合は骨であり、その滎髪なり、その腎を制御するのは脾である。」とある。」

となり、簡略してまとめると、

大腸 肺 が合す → 皮膚が相応じる
小腸 心 が合す →血脈が相応じる
胃  脾 が合す →肉が相応じる
胆  肝 が合す →筋が相応じる
三焦・膀胱 が合す → 腠理毫毛が相応じる
となります。

最後に、
腎は、膀胱と、三焦にも合する」とあるのは、
『霊枢』本輸篇(2)で、
腎は膀胱に合す。膀胱は津液の府なり。
少陽は腎に属す。腎は上って肺に連なる。故に両蔵に将たり。

とあり、少陽三焦もまた腎に属すことから、
腎は三焦と膀胱とを統率するためのようです。


参考文献
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍

興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。

今日はビビンバです♪ 中央にある卵黄が輝いてますね!地下1階の焼肉屋さんにて。

<今までの「鍼灸甲乙経を読む」過去記事>
鍼灸甲乙経 巻之一

 第1 精神と五臓
  ●その1 前半
  ●その2 後半
 第2 五臓の五変と五腧

  ●その3 全文
 第3 五臓六腑の陰陽表裏

  ●その4 全文
 第4 五臓と五官

  ●その5 前半
  ●その6 後半
 第5 五臓の二十五変と六腑の関係

  ●その7 総論、心
  ●その8 肺、肝
  ●その9 脾、腎
  ●その10 心の状態の観察
  ●その11 肺の状態の観察
  ●その12 肝の状態の観察
  ●その13 脾の状態の観察
  ●その14 腎の状態の観察
  ●その15 五臓の全悪吉兆

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