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こんにちは、為沢です。

では、今回も『格致餘論』の続きを紹介して参ります。


格致餘論:養老論 其之五


或曰:如子之言,殆將絕而不與於汝安乎?
予曰:君子愛人以德,小人愛人以姑息。
況施於所尊者哉!惟飲與食將以養生,不以致疾。
若以所養轉為所害,恐非君子之所謂孝與敬也。
然則如之何則可?曰:好生惡死,好安惡病,人之常情。
為子為孫,必先開之以義理,曉之以物性,旁譬曲喻,
陳說利害,意誠辭確,一切以敬慎行之,又次以身先之,
必將有所感悟而無捍格之逆矣。
吾子所謂絕而不與,施於有病之時,尤是孝道。若無病之時,
量酌可否,以時而進。某物不食,某物代之,又何傷於孝道乎?
若夫平居閉話,素無開導誘掖之言,及至飢腸已鳴,
饞涎已動,飲食在前,馨香撲鼻,其可禁乎?
經曰:以飲食忠養之。「忠」之一字,恐與此意合,請勿易看過,

『格致餘論注釈』訳を使用:
ある人が「あなたの言う通りだとすれば(美味しいものを)全く絶ってしまって、
与えないことになるが、あなたはそれで納得できるのですか」と尋ねた。
私は「君子が人を愛するには徳をもってし、小人が人を愛するのには
その場しのぎの見方をもってするものだ。
まして自分の敬愛する人に差し上げるものであれば
なおさら気をつけるべきだろう。
飲み物や食べ物はそれで命を養うもので、病気を招くものではない。
もし大事に養うためのもので却って害をなすものとなったとすれば、
それは君子のいわゆる孝行と敬愛というものではあるまい。」と答えた。

ある人が「では、どうすれば良いのでしょう」と言った。
私は「生を好み死を厭い、無事を好み疾病を厭うのは、
誰でも変わらぬ心情である。
息子・孫としては、必ずまず義理で知恵を開き、
ものの性質をよくわきまえ、様々にたとえを用い、
利害の程を述べて、心情や言葉を誠実で確かなものにし、
すべてを敬意と慎みの心で執り行う。
また更に自分から率先して行ってゆけば、
老人は必ず感動してさとるところがあり、
衝突してぎくしゃくすることにはならないだろう。
あなたのいう(美味しいものを)全く絶ってしまってあげない
というは、病気の時にそうするのであれば、この上ない孝行の道である。
病の無い時は、可否を酌しながらあ、しかるべき時に差し上げる。
あるものを食べないなら、何かをその代わりとすれば、
どうして孝行の道を損なうか。
もし普通どうでもいい話しかせず、導き誘う言葉も費やしていなければ、
空腹で腹が鳴り、食を求めて涎が出て、飲食物が目の前に在り、
いい匂いが鼻に香っているときになっては、
これを食べないように制止できるであろうか。
経書に『飲食物により、忠の心で大事を養う』とあるが
忠の一字は恐らくこの趣意と一致しているのであり、
いい加減に見過ごさぬようにしてもらいたい」と答えた。


参考文献:
『格致餘論注釈』 医聖社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

ヒツジさん
ヒツジさん

ヤギの鳴き声は”めぇ〜”ですが、ヒツジは”べぇ〜”と鳴くようです(笑)

為沢

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