「老衰の人は
薬治、鍼灸、導引、按摩を行ふにも、
にはかにいやさんとて、あらくすべからず。
あらくするは是即効を求むる也。
たちまち禍となる事あり。
若当時快しとても後の害となる。」
貝原 益軒『養生訓』より
下野です。
今回は
治療家にとって大切なことでありますが、
反面 患者さんへ、
本来治療とはこういうものだよ
といったメッセージにもなります。
では現代語訳します。
「老い、衰えた患者に対して、
薬物治療、鍼灸治療、導引、あん摩治療をする場合は、
急いで治そうとして乱暴な治療をしてはならない。
乱暴にするのは即効性を求めるからであり、
そのようにすると、たちまち悪化することもある。
たとえ、その場では快いと思っても、
あとで害になるのである。」
初めて当院で治療を受けられた方には、
「このやりかたで、本当に効くの?」と
疑問に思われる方もおられるようですが、
しっかりと病の根本を施療すれば
たとえその場で変化が出なくても、
時間が経つにつれて症状に変化が現れて参ります。
また冒頭に記したように、
治療家への治療鉄則ともなっていますので、
しっかりと心得ておきます。
では。
新町にある珈琲会社さんの一角で
コーヒー、紅茶をテイクアウトでき、
おまけにお菓子もついてきます。
いつもごちそうさまです。
<参考文献>
『養生訓』 貝原守一博士校訂本
『口語 養生訓』 日本評論社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
下野