こんにちは、大原です。
暑さを乗り切るために、前回の記事では
少なくなった気を補う「補気薬(ほきやく)」と呼ばれる
生薬をみてみました。
ご存知、「スイカ」ですね!
これが生薬の一つとして書かれており、
生薬の「祛暑剤(きょしょざい)」というカテゴリに入っています。
ここで「祛暑剤(きょしょざい)」とは、
人体が不調をきたす暑さ(=暑邪(しょじゃ))を
取り除くことができる薬という意味になります。
詳しく書きますと、
人は暑さなど自然界からの影響を受けてますが、
身体が弱った状態にあると、
自然界からの季節ごとの気に侵されてしまい
不調をきたすことがあります。
夏の暑さによって不調をきたした場合、
その入り込んだ熱を取り除く薬が「祛暑剤(きょしょざい)」であり、
スイカはその一つとされています。
ちなみにスイカは生薬名としては
「西瓜(せいか)」というようです。
スイカ以外にも、
トマト・ニガウリ = 清熱止渇作用(熱をとりつつ、喉の渇きを止める)
レモン = 保津止渇作用(身体に必要な水分を補いつつ、喉の渇きを止める)
スイカ・セロリ・セリ・トウガン・キュウリ・リョクトウ
= 清熱利水作用(熱をとりつつ、身体に溜まった余分な水分を取り除く)
などがあるようです。
(リョクトウとはモヤシの原料で、リョクトウそのものを食べることは
あまり無いと思いますが)
参考文献
『中医臨床のための中薬学』 医歯薬出版
『漢方薬膳学』 万来舎
『基礎中医学』 燎原