こんにちは、大原です。
更年期障害とは、閉経前後5年間でおこる、
女性ホルモンの低下によって様々な症状をいいます。

さて、『金匱要略(きんきようりゃく)』という、
3世紀頃の東洋医学の書物があります。
その中には女性特有の病についての記載が
結構な割合で書かれており、
現代の更年期障害についての記述とみられる内容があります。

詳しい解説は省きますが、
文章の一番始めに
婦人之病、因虚積冷結氣」(婦人の病、虚によりて積冷結気しゃくれいけっき
とあり、
女性の病というのは、
正気の虚(=エネルギー不足のようなイメージ)によって
非常に冷えて身体に積もり、気が結んで(=気が停滞して)
いろんな病気がおこると書かれてます。

この正気の虚というのは、
ここではおそらく
人体の根本的な腎気にあたるものと思われます。
そして、それが不足して身体が冷えてくるということから、
腎気というよりは腎陽、命門の火の虚衰ともいえるかも知れません。

原文の前文をこの記事の一番下に
掲載しておりますので
興味がおあありの方はぜひ一度目を通してみてください。
ちなみに原文の二行目にある「経水断絶」とは閉経のことですが、
閉経してから数年経過すると
血に寒が積もって子宮に結びつき、
寒が経絡を傷って病気になるとあります。
非常に参考になります。

『金匱要略(きんきようりゃく)』
婦人雜病脉證并治第二十二より

婦人之病、因虚積冷結氣、
爲諸経水断絶、至有歴年、血寒積結胞門、寒傷経絡。
凝堅在上嘔吐涎唾、久成肺癰、形體損分。
在中盤結、繞臍寒疝。
或兩脇疼痛、與藏相連。
或結熱中、痛在關元、脉數無瘡。
肌若魚鱗、時著男子、非止女身。
在下未多、經候不匀、冷陰掣痛。
少腹惡寒、或引腰脊、下根氣街、氣衝急痛、膝脛疼煩、奄忽眩冒、
状如厥癲、或有憂慘、悲傷多嗔、此皆帶下、非有鬼神。
久則羸痩、脉虚多寒。
三十六病、千變萬端、審脉陰陽、虚實、緊弦、行其鍼藥、治危得安。
其雖同病、脉各異源。子當辯記。勿謂不然。

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<参考文献>
『金匱要略講話』 創元社
『金匱要略も読もう』 東洋学術出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

大原

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