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こんにちは、大原です。
前回に続いて
更年期障害の症状に対して用いられることの多い方剤をみていきます。
前回は、方剤の逍遙散と加味逍遙散について調べてみました。
(記事リンク:https://www.1sshindo.com/blog/zenith18482/)
今回は、当帰芍薬散についてです。
当帰芍薬散は、
更年期障害の中でも
いらいらしやすい・気分が落ちこみやすい・むくみ
といった症状が現れている場合に用いられることが多いようです。
まずは、どのような生薬で構成されているのか
組成からみていきましょう。
組成:当帰9g、白芍15g、茯苓12g、白朮12g、沢瀉9g、川芎6g
<当帰芍薬散>
効能:補血調肝・運脾除湿
主治:肝気乗脾(肝血虚・脾虚湿滞)
顔色が悪い・皮膚につやがない・
月経不順・経血量が少ない・月経痛・帯下・
腹痛・むくみ・泥状便・四肢のしびれ感・尿量が少ない・
舌質が淡胖・舌苔が白・脈が細 など
病機:肝血不足で肝気を抑制できず、
脾虚湿滞に乗じて肝気が横逆するために
発生する肝脾不和である。
肝血不足→顔色が悪い・皮膚につやがない・月経不順・経血量が少ない・舌質が淡
脾虚湿滞→むくみ・泥状便・四肢のしびれ感・尿量が少ない・帯下・舌質が胖・舌苔が白
いずれかで→脈が細
肝血不足で有余した肝気が脾虚に乗じて横逆→腹痛・月経痛
方意
本方は補血調肝と運脾除湿の組合せであり、
補血調肝によって肝気をしずめて乗脾しないようにすると同時に、
運脾して肝気が乗じないように防止する。
補血柔肝の当帰・白芍と
活血の川芎・当帰、
さらに疏肝理気の川芎、
これらによって補血して滞血せず、活血して峻猛でなく、調肝に働く。
健脾の白朮・茯苓と
甘淡利湿の沢瀉・茯苓は、
脾を健運して湿邪を除く。
肝と脾にアプローチするというところは
前回のブログの加味逍遙散と同様ですね。
参考文献
『中医臨床のための方剤学』
『中医臨床のための中薬学』 東洋学術出版社
『女性の漢方 すぐに使えるフローチャート』 中外医学社
興味がおありの方は、ぜひ参考文献もご一読ください。