<近日開催予定のイベント情報>
→イベント情報ページはこちら
こんにちは、大原です。
人体を構成する精気は、中医学では
気・血・精・神、またはこれに津液を加え、
気・血・精・神・津液
であるとされます。
ですが、東洋医学の考え方として、
人体は気・血・水で構成されていると、
東洋医学に関連する本・テレビなどのメディアで
取り上げられることもあります。
「津液」か「水」か、どちらが正しいのでしょうか?
用語の定義を復習してみますと
「津液」:身体の構成要素としての血以外の水分の総称で、
津液不足・陰虚・湿、痰飲などの病因・病態概念が存在する。
「水」:疾患の分類の概念であり、水毒・水滞をいう。
さて、この気・血・水の分類は
日本漢方における考え方であるとされていますが、
この気血水の分類・定義は
『漢方診療の実際』という書物でなされたという見方があります。
(ちなみに『漢方診療の実際』は、
大塚敬節、清水藤太郎、矢数道明、木村長久らが共著の、
現代の日本漢方を確立したともいう書籍であるとされています。)
では、この書籍の中で
「水」はどのように定義付けされているのでしょうか、
その一部をみてみましょう。
「漢方医学で痰というのは、今日の喀痰を指すのではない。
痰は淡すなわち水のことであって、喀痰もその中に包含されている。
痰はまた痰飲ともいい、ともに水毒を指している。
古人が『怪病は痰として治せよ』といったが、
これは診断のつきにくい不可解な病気は、
水の変として治療せよということである。」
とあり、ここでは
疾患の分類を行う目的として「水」を定義づけているようです。
(これは「気」「血」も同様のようです)
参考文献
『漢方診療の実際』 南山堂
『漢方薬の考え方、使い方』 中外医学者
興味がございましたら
ぜひ参考文献もご一読ください。