こんにちは、大原です。
(前回:『医界之鉄椎』より 其の六)
今回は「第七 漢医方の対症療法は深遠微妙なり」です。
西洋医学における対症療法と、
東洋医学における対症療法との
比較について述べられています。
東洋医学では、
ある症状が、その原因からの主症なのか
それともその主症から派生した不随症なのか、
または医者の誤治による壊病なのかなどを
見極めることが重要なのであると書かれており、
さらに、
これらの見極めが出来れば、
病の根本を除くことができるので、
まだ表に現れていない不随証、すなわち
未病をも取り除くことができる
と書かれています。
これに対して
西洋医学における対症療法とは
熱があれば解熱剤を処方し、
痛みがあれば鎮痛剤を処方し、
下痢があれば止瀉剤を処方し、
便秘があれば下剤を処方するように
病症の神出鬼没に追従してしまい、
症候の性質を識別せずに治療を施してしまう危険があると述べています。
例えば
・鼻水が出ている風邪っぽい症状には小青龍湯、
・食欲不振・胃もたれ・吐き気・嘔吐・下痢の
症状が出ているときは半夏瀉心湯
というように、症状に対して漢方薬を
処方されることが現在でもよくあると思いますが、
このような漢方薬の用い方は
本来の使い方ではないということですね。
(ただ、拙者も
病院で漢方薬と他の薬とを一緒に処方されたことがありますが、
そのときは急場を脱すことができました。
結果的に、漢方薬もしっかり効いてくれたのだと思います。)
続きます。
参考文献
『復刻 医界之鉄椎』たにぐち書店
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。
大原