どうも、新川です。
いつもの風景なのに、
月が出ているだけで気分が変わるもんです。
前回に引き続き、
巣元方らが著した
諸病源候論を読んでいきたいと思います。
前回までの記事はこちら
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 中風候 其ノ一
《原文》
心中風、但得偃臥、不得傾側、汗出。
若唇赤汗流者可治、急灸心兪百壮。
若唇或青或黒或白或黄、
此是心壊為水。
面目亭亭、時悚動者、皆不可復治、五六日而死。
→心中風は
病人はただ横臥することは出来るけれども、
寝返りをうつことはできず、汗が出る。
もし唇の色が赤くて、
汗が流れる者は治療することができ、
急いで心兪穴に百壮を灸すべきである。
もし口唇が青、黒、白、或いは黄である者は病が重篤であることを表している。
もし顔貌がぼんやりしていて、
時に恐ろしがってぶるぶるとふるえている者はすべて、
再治することができないもので、
ほとんど五六日で死んでしまう。
上に記されている中風の内容としては、
後世にいう中風(卒中)すなわち脳血管障害の発作に属するものとも違い、
多種の疾病の危険で重篤な証候を五臓に帰納して述べたものである。
肝中風、脾中風、腎中風、肺中風については、
原文を下に掲載する。
肝中風、但踞坐、不得低頭。
若繞両目連額、色微有青、唇青、面黄者可治。
急灸肝兪百壮。
若大青黒、面一黄一白者、是肝已傷、不可復治、数日而死。
脾中風、踞而腹満、身通黄、吐鹹水、汗出者可治。
急灸脾兪百壮。
若手足青者、不可復治。
腎中風、踞而腰痛、視脇左右、未有黄色如餅粢大者可治。
急灸腎兪百壮。
若歯黄赤、鬢髪直、面土色者、不可復治。
肺中風、偃臥而胸満短気、冒悶汗出。視目下、鼻上下両辺、下行至口、色白可治。
急灸肺兪百壮。
若色黄、為肺已傷、化為血、不可復治。
其人当妄、掇空指地、或自拈衣尋縫、如此数日而死。
診其脈、虚弱者亦風也、緩大者亦風也、
浮虚者亦風也。滑散者、亦風也。
参考文献:
『東洋医学概論』医道の日本社
『黄帝内経素問』
『黄帝内経霊枢』
『中国医学の歴史』
『中国鍼灸各家学説』
『中医学の基礎』東洋学術出版社
『校釈 諸病源候論』緑書房
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
新川