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こんにちは、為沢です。
今回は張景岳ちょうけいがくの『質疑録しつぎろく』の第二十章「論止法無痢 其之二」です。



和訓:
若し久痢きゅうりの後、元氣は已にける。
如し氣の本より陷りたるに、復た其の氣行かせれば、
後重はた甚しくならざるや?
中の本より虚したるに、再び其の積を攻めれば、元氣は将たきざらんや?
湿熱が血をしょうしたるは、自ら調血に宜し、
若し推陳すいちんを過用すれば、血はいよいよ傷されん。
積滞のしきりに下るに、当に消導すべしと謂い、
久しく克伐こくばつを爲せば、積は益々多からん。
此は但だ見のるところの者は、
有形の疾病爲ることのみ知りて、而して傷さる所の者は
皆な無形の氣血なることを知らざるなり。
いずくんぞ“痢に止法無し”の一語にこだわる可けんや、
而して《内経》に曰く“通因通用”の治有りと曰うに、
以て人を殺すに致らんや!


・もし長く下痢が続けば元気は既に虚損するものである。
長期の下痢で元気が虚損して下陥しているのに、
さらに長い行気法を用いれば後重の症状はもっとひどくならないだろうか?

・脾胃の気が虚してしまっているのに、
さらに積滞を攻撃するような薬を用いると
元気はさらに竭きるようにならないだろうか?

・湿熱で血が妄行する場合は調血法を用いるのは当然であるが、
推陳すいちん(活血化瘀)の薬を用いるとかえって血が傷されて血虚となることがある。

・積滞があって頻りに下痢すれば
当然消導法を用いるべきであるというが、
もし長く消導法を用いて元気が克伐されてしまえば、
脾胃は虚して食を消化できなくなるので、
積滞はますます多くなることがある。

・表に出ている症状ばかりみて
裏に隠されている気血の状態を知らなければ
そのような誤りを犯すものである。
従って“痢の止法無し”という言葉に固執すれば
時に人を死に至らしかねないものである。
『内経』には「通因通用」の治をすべきだと教えているではないか!


原文:
若久痢之後、元氣已虧。
如氣本陷矣、而腹行其氣、後重不将甚乎?
中本虚矣、而再攻其積、元氣不将竭乎?
湿熱傷血、自宜調血、若過用推陳、血愈傷矣。
積滞頻下、謂当消導、久爲克伐、積益多矣。
此但知据見在者、爲有形之疾病、而不知所傷者、
皆無形之氣血也。豈可執“痢無止法”一語、
而曰《内经》有“通因通用”之治、以致殺人也哉!


参考文献:
『中国医典 質疑録』 緑書房
『格致餘論注釈』医聖社
『中国医学の歴史』 東洋学術出版社
『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社
『宋本傷寒論』東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経・素問』東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経・霊枢』東洋学術出版社
『校釈 諸病源候論』緑書房
『景岳全書』台聯國風出版社

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是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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