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こんにちは、大原です。
小建中湯という漢方薬があります。
ある製薬会社のホームページから調べると、
小建中湯は、虚弱体質、腹痛、慢性胃腸炎などに
効果があるとされています。
「小建中湯」の名称にある「中」とは、
東洋医学でいう「中焦」のことではないかとされています。
その「中焦」を「建てる」、
すなわち、脾胃の力を上げる効果を
その名称としているということになります。
「小建中湯」の構成を調べてみますと、
以下の六つの生薬で構成されています。
<小建中湯>
膠飴(コウイ):君薬(主薬)
甘草(カンゾウ):臣薬
桂枝(ケイシ):佐薬
芍薬(シャクヤク):佐薬
生姜(ショウキョウ):使薬
大棗(タイソウ):使薬
漢方薬に配合されているそれぞれの生薬は、
それらの働きごとに
君薬(主薬)、臣薬、佐薬、使薬と分類しますが、
その漢方薬の主となる生薬が君薬で、
その君薬を補助する生薬が臣薬であるとされています。
小建中湯の主となるのは膠飴と呼ばれる飴(アメ)で、
これは糯米(モチゴメ)・粳米(コウベイ)・小麦などに
麦芽を加えて加工し飴状にしたものです。
脾胃の力を補う力、すなわち、
飲食した物を消化する力を上げるためには、
甘味が薬になるということですね。
ちなみに、臣薬である甘草(カンゾウ)も甘味に分類されており、
6つの生薬のうち甘味である2つの生薬が
重要ということになります。
傷寒論では
「傷寒二三日、心中悸して煩するものは、小建中湯これを主る」
とあり、太陽病(カゼの引き始め)で動悸が生じるのは、
外からの冷えなど(外邪)が
体内に入ってきたためであるとは考えにくく、
これは中焦の弱りが根本的な原因であると考え、
小建中湯が主治すると考えます。
カゼをひいた場合にも
体質を考慮した治療が必要であるということですね。
当院では治療で漢方薬を出すことはありませんが、
このような考え方が
鍼灸の治療においても応用されますので
大事になってきます。
さて、この小建中湯から膠飴を除いたものが
「桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)」と呼ばれる
漢方薬になります。
次回に続きます。
<参考文献>
『傷寒論解説』 創元社
『中医臨床のための中薬学』 神戸中医学研究会
『中医臨床のための方剤学』 神戸中医学研究会
『腹証図解 漢方常用処方解説(62版)』 東洋学術出版社
『腹證奇覧』 医道の日本社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
ぜひ参考文献を読んでみて下さい。
大原