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こんにちは、大原です。

「平成最後の何々」などと最近よく耳にしますが、
将棋界もそうで、
この記事を書いている今日(2018年12月13日)は
平成最後の「竜王戦」の第6局が鹿児島県で行われています。

この竜王戦は7番勝負で、
1局の将棋を2日間かけて行う長丁場の戦いです。
この記事を書いている今現在は第6局の2日目ですので
今夜には終局する予定となります。

最近のネットのニュースでも多く取り上げられていますが、
羽生善治竜王が今日の対局に勝てば
タイトル通算100期獲得という大記録になります。
(1期獲得するだけでも凄いことだと言われてますが)
もし今日負ければ、
挑戦者である広瀬八段が勝ちとなり、
お互い三勝三敗で並び、
12月末に行われる次の対局(最終局)で
勝った方が竜王のタイトルを獲得することになります。

どのような結果になるのか、
この記事が公開される頃には
すでに勝敗が決していると思いますので、
気になる方は↓の竜王戦のホームページをご覧ください。
竜王戦中継URL:
http://live.shogi.or.jp/ryuou

羽生竜王は現在40代でいらっしゃいますが、
20代の中頃には将棋界の7大タイトルを独占したり、
その後30代でも複数のタイトルをほとんどの時期に獲得していたりと
大活躍され続けている棋士であることは有名です。

しかし、40代になってから
なかなかタイトルを獲得できないといった
不調の時期もあり、
およそ二年前には、
羽生さんは年齢的に以前のような強さをもう発揮できないのでは?
という噂がファンの間で広まりました。
ですが、そこから羽生さんは、
竜王のタイトルを昨年12月に奪取して永世7冠となりました。
今年も、これまでタイトルの獲得はならなかったものの、
名人戦など複数のタイトル戦に出場されています。

なぜ羽生さんが強さを維持しているのか?
羽生さんの、今行われている竜王戦の戦い振りを拝見していると、
中終盤の相手の陣形への踏み込みが
以前に比べて非常に早くなったように感じます。

AI(人工知能)が搭載されたコンピュータが
近年非常に強くなってきてますが、
そのコンピュータ将棋のような指し方を
されているように思います。
飛車や角といった、自分の味方の中でも強い駒を
早い段階で見切りをつけて捨ててしまい、
代わりに弱い駒を味方につけ、かつ相手の陣形を乱し、
少しずつ相手の王様を攻略していっています。

数年前、何かの記事で、
羽生さんはAI(人工知能)での研究はされていない
という内容を拝見しましたが、
おそらく、この1〜2年で、
AI(人工知能)での研究をされ出したのではないでしょうか。
将棋の研究の方法を今までのやり方から変えることは、
その新しい方法に慣れて、さらにそれをものにするまでに
非常に大きな労力がかかると思います。
この1〜2年で結果がもう一つふるわなかったのも
そのあたりに原因があるのかと個人的には思います。

今回の竜王戦での戦い方を拝見すると、
まだ、踏み込みが早すぎると言われている指し手もありますが、
随所に好手(こうしゅ:プロでも気付きにくい良い手)も見られ、
AI(人工知能)での研究が少しずつ
ご本人の力になってきているのでは、と感じます。

目先の結果が伴わなくても、
新しい研究をして新しい境地を開拓しようとされる
羽生さんの探究心はやはり尊敬してしまいます。
そして、不調と言われている今の時期を抜け出され、
来年、再来年、さらに活躍を期待したいと思います。

(追記:2018年12月13日13時半、
第6局が決着し、挑戦者の広瀬八段が勝たれました。
かなり早い時間の終局となりました。
今期の竜王のタイトルの行方は
来週の最終局に持ち越しとなりました。)

空気が澄んでます(一鍼堂2階の入り口から)
空気が澄んでます(12月14日(金)の朝 一鍼堂2階の入り口から)

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