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こんにちは、為沢です。
今回は張景岳の『質疑録』の第二十章「論止法無痢」です。
和訓:
痢は必らず積滯に由る、故に“積無くば痢を成さず。”と曰う。
痢の初起を治すには、必らず消積導滯を用い、推蕩を以て法と為す。
此れ仲景の治痢に十法有り、均しく大、小承氣が主る。
而して河間は亦た曰く︰
“行氣すれば則ち後重は自ら除かれ、調血すれば則ち便膿は自ら止む。”
此は蓋し痢の有實邪を有すると為す者を言えるなり、
所謂“痢に止法無し”是なり。
・下痢が起こるのは必ず腸内に積滞があるためである。
なので、”積滞がなければ下痢は起こらない”といわれている。
・下痢の初期の治療は、”消積導滞”法が用いられ
腸にたまっているものを大便と共に排除してしまう方法が常用される。
(
代表的な処方→大承気湯、小承気湯)
・このような治療法は張仲景の『傷寒・金匱』の中に
十箇所も述べられており、いずれも大承気湯、小承気湯が用いられている。
・
調血法を用いれば汚い下痢はきれいになる”と述べている。
・しかし、これらのことは全て実邪を持っている下痢症について述べていることであって、
”痢に止法なし”とはこの場合(実邪を持っている下痢の場合)にのみ言うべきである。
原文:
痢必由乎積滯、故曰︰“無積不成痢。”
治痢初起、必用消積導滯、以推蕩為法。
此仲景治痢有十法、均主大、小承氣。
而河間亦曰︰
“行氣則後重自除、調血則便膿自止。”
此蓋為痢之有實邪者言也、
所謂“痢無止法”是也。
参考文献:
『中国医典 質疑録』 緑書房
『格致餘論注釈』医聖社
『中国医学の歴史』 東洋学術出版社
『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社
『宋本傷寒論』東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経・素問』東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経・霊枢』東洋学術出版社
『校釈 諸病源候論』緑書房
『景岳全書』台聯國風出版社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
為沢