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どうも、新川です。
徐々に朝晩が冷えてきました。
ボルシチって、
小学校の給食以来です。
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ここからが本篇です。
呉 鞠通の『温病条辨』上焦篇
が今回からはじまります。
温病条辯
【巻一 上焦篇】
温病者、有風温、有温熱、有温疫、有温毒、有暑温、有湿温、有秋燥、有冬温、有温瘧。
→
温病は、風温有り、温熱有り、温疫有り、温毒有り、暑温有り、湿温有り、秋燥有り、冬温有り、温瘧有り。
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本条は温病の大綱と種類に関してです。
解説:
風温
→初春は、厥陰風木の令に属し、
自然界の陽気が萌動し始め、気候が寒冷からしだいに温暖になり、
風気は温性をそなえる。
この風温の気(風熱の邪)を感受して発病するのが、風温である。
温熱
→春末から初夏は、少陰君火の令に属し、
自然界の陽気が弛張して、気候が温から熱へと転じる。
この温熱の気(熱邪)を感受して顕著な熱象をあらわす温病を、温熱と称する。
温疫
→季節に関係なく、非時の気である疫気(穢濁の邪)を感受して発病し、
伝染性をもち、性別年齢にかかわらず症状が相似する。
温毒
→季節に関係なく、
温毒の気(熱毒の邪)に感染しておこり、
局部に発赤・腫脹・発熱・疼痛・化膿などを生じる。
暑温
正夏の時は、少陽相火の令に属し、
天の炎熱が下逼する。この気(暑熱の邪)を感受して、
暑病の熱に偏するものを、暑温という。
湿温
→長夏初秋は、太陰湿土の令に属し、
天暑が下逼し地湿が上騰する。この気(湿熱の邪)を感じ、
暑病の湿に偏するものを、湿温という。
秋燥
→秋は、陽明燥金の令に属し、
久しく晴れて雨が降らず気候が乾燥している。
この時期の燥烈の気(燥邪)を感受して発病するのが、秋燥である。
冬温
→冬は、太陽寒水の令に属し、
厳寒で陽気が潜蔵する時期であるが、
気候が反って温暖になり陽気が潜蔵されないときに、
非時の温(風熱の邪)に感じて発病するものを、冬温と称する。
温瘧
→冬に感受した厳寒の気(寒邪)が体内に潜蔵され化熱して陰精を耗損し、
翌年の夏に暑熱の邪を感受することにより引発され、
初期から陽熱亢盛・陰津不足の病変を呈する「伏気温病」を温瘧という。
以上が
温病全般の名称と定義であるが、
これらの内容は上焦篇の前に置くべきだという
見解もなされている。
続く
参考文献:
『黄帝内経素問』
『黄帝内経霊枢』
『中国医学の歴史』 東洋学術出版社
『中医臨床のための温病条弁解説』医歯薬出版株式会社
新川