補中益気除湿
・・・愚案するに術は中焦脾胃の聖薬。
足の太陰・足の陽明の剤たり。
李士が曰わく白朮は中宮衝和の気を得て
さらにその右に出るもの無し。
・・・中を補い気を益し湿を除くの功中において
脾胃を補うのが勝れり、その益気除湿の功は
合用の剤をもってその力を盛んにす。
人参・黄耆と合してよく元気を益し、
茯苓と合してよく湿を除く。
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白朮の帰経はさまざまな説があるが
ここでは脾胃のある足の太陰・足の陽明にあると言う。
また脾胃を補う効果においては右にでるものがいない
とまで言われる。
脾胃を補うと同時に湿邪をさばく効果があり
どちらを発現するかは組合せの生薬によって変化する。
健脾薬の代表である白朮に利湿の効果があることから
脾胃と湿邪の関係が深いことがここでもよく分かる。