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こんにちは、為沢です。

今回は張景岳ちょうけいがくの『質疑録しつぎろく』の第十七章「論右腎爲命門」の其の一です。



和訓:
《内経》には初め命門の名は無く、
命門の説は越人の三十六難に始まる、
而して腎に兩つ有り、左を腎と爲、右を命門と爲し、
男子は精を蔵え、女子は胞に系ると曰う。
夫れ右腎は既に男子の精を蔵えるとすれば、
則ち左腎は将た何物を藏えるや?
女子の胞は何ぞ独り右に偏りて系るや?
此の其の説の疑い無き能わざるなり。


・『黄帝内経』には命門についての記述がない。
命門は『難経』の三十六難で初めて示されて、
その中で2個の腎臓の内 左を腎とし、右を命門としていて
命門は男子の精、女子の子宮を主るとしている。

・その説に従うのであれば右腎が男子の精を主るのであるから、
左腎は一体何をするのであろうか?

・女子の生殖機能をどうして右腎ばかりが主るとするのであろうか?
この説には賛成することができない。


原文:
《内経》初無命門之名、
命門之説始於越人之三十六難、
而曰腎有兩、左爲腎、右爲命門、
男子藏精、女子系胞。
夫右腎既藏男子之精、則左腎将藏何物?
女子之胞何独偏系于右?
此其説之不能無疑也。


参考文献:
『中国医典 質疑録』 緑書房
『格致餘論注釈』医聖社
『中国医学の歴史』 東洋学術出版社
『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社
『宋本傷寒論』東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経・素問』東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経・霊枢』東洋学術出版社
『校釈 諸病源候論』緑書房
『景岳全書』台聯國風出版社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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