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こんにちは、大原です。
今年もそろそろ冬支度を行う季節ですが、
いかがお過ごしでしょうか?
さて、前回(2018年・2019年の運気(五運六気学説より) その5)の続きです。
運気論による2019年の気候・人がかかりやすい病について、
前回の2018年と同様、
素問『六元正紀大論篇(71)』の内容をみていきます。
(ちなみに2019年は「厥陰風木」が司天の気でしたので、
「厥陰風木」を司天の気とする1年の気候や病についての記述を
みていきたいと思います。)
素問『六元正紀大論篇(71)』より
凡此厥陰司天之政、氣化運行後天、諸同正歳、氣化運行同天。
天氣擾、地氣正、風生高遠、炎熱從之、雲趨雨府、濕化廼行、風火同徳、上應歳星熒惑。
其政撓、其令速、其穀蒼丹、間穀言太者、其耗文角品羽。
風燥火熱、勝復更作、蟄蟲來見、流水不氷、熱病行於下、風病行於上、風燥勝復形於中。
初之氣、寒始肅、殺氣方至、民病寒於右之下。
(初の気(大寒から春分まで:客気は陽明燥金)
:寒気は厳しく、殺気が至り、人々は右半身の下部に寒病を病みます。)
二之氣、寒不去、華雪水冰、殺氣施化、霜廼降、名草上焦、寒雨數至、陽復化、民病熱於中。
(二の気(春分から小満まで:客気は太陽寒水)
:寒気がなお退散せず、雪が舞い河川は凍結し、
粛殺の気が作用すると霜が降り、草は縮れ、冷たい雨がよく降ります。
陽気が発動すると、人々は熱気が体にこもる病にかかります。)
三之氣、天政布、風廼時擧、民病泣出、耳鳴掉眩。
(三の気(小満から大暑まで:客気は厥陰風木)
:厥陰司天の気によって風が常に起こり、
人々は眼から涙が出やすく耳鳴りがし頭がくらみ、目がかすむなどの症状が出ます。)
四之氣、溽暑濕熱相薄、爭於左之上、民病黄癉而爲胕腫。
(四の気(大暑から秋分まで:客気は少陰君火)
:気候が暑くて湿気が多く、
湿気と熱気とが互いに絡み合い、左半身の上部で抗争します。
人々の病としては、黄疸が起こり全身がむくみます。)
五之氣、燥濕更勝、沈陰廼布、寒氣及体、風雨乃行。
(五の気(秋分から小雪まで:客気は太陰湿度)
:燥気と湿気が互いに勝復します。
沈んだ陰気がゆきわたり、寒気が人体を犯して、風や雨もこの時期に起こります。)
終之氣、畏火司令、陽廼大化、蟄蟲出見、流水不氷、地氣大發、草廼生、人乃舒、其病温厲。
(終の気(小雪から大寒まで:客気は少陽相火)
客気の少陽相火が時令を主り陽気の作用が旺盛になり、
冬ごもりするはずの動物が現れだし、河川は凍ることができません。
地の気は大いに発動し、諸々の草は再び生長し、人々は快適に暮らします。
疾病が起こる場合には、温邪による疫病がおこります。)
必折其鬱氣、資其化源、賛其運氣、無使邪勝。
(必ず鬱屈した気を弱め、生化作用の源となる運気を補い助ければ、
太過の邪気が障害を起こす事態を避けることができます。)
歳宜以辛調上、以鹹調下、畏火之氣無妄犯之。
用温遠温、用熱遠熱、用涼遠涼、用寒遠寒、食宜同法。
有假反常。此之道也。反是者病。
まとめると、
2019年の1月下旬からしばらく厳しい寒さが続くとあります。
春になってもなかなか寒さが収まりにくく、雨も冷たくなるそうです。
そのため、春におこる陽気が、冷えのために体内でこもって発散されにくく、
伝染性の病がおこる可能性が高いとあります。
5月下旬〜7月下旬は風がよくふき、
それに伴って、耳鳴りや頭がくらむなどの症状が出やすくなり、
7月下旬〜9月下旬は暑くて湿気の多い夏となるそうです。
9月下旬〜11月下旬は、乾燥したり、湿っぽかったりと交互に表れやすく、
人は冷えによる病に犯されやすいそうです。
11月下旬からは比較的暖かく、過ごしやすいようです。
また、鬱屈した気を弱める、すなわち
気を滞らせないことが養生として大事であるとされてます。
体を動かしたり、思い悩みすぎたりしないことが
健康を維持するために大事かも知れません。
どうも、冬は寒く、夏は蒸し暑い一年になりそうです。
さらに気になるのは風がよくふくということで、
今年のように台風が多く発生するのでしょうか・・・?
参考にしてみてください。
参考文献:
『黄帝内経 素問 下巻』 東洋学術出版社
『内経気象学入門』 緑書房
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
大原