Qu8k
Qu8k 出典: Gigazineより

こんにちは、為沢です。

前回、自作ロケットを打ち上げる「龍勢」という
お祭りがあることを御紹介致しましたが、
今回も自作ロケットの御紹介です(笑)
これもまたアマチュアの方が作ったロケットみたい
なんですが、侮るなかれ何と上空36.8kmの
成層圏までブッ飛ばしたそうです。
しかも、しっかり回収もしていらっしゃいます。
ロケットの発射〜飛行の画像と動画が
公開されているので是非、見てみて下さい。
ソースはこちらです↓
http://gigazine.net/news/20111015_home_made_rocket/
地球を離れていく動画には少し感動しますよ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

では、今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(中)三十八章と三十九章。
三十八章では、太陽病の表実と裏熱の兼証とその禁忌について。
三十九章では、三十八章の大青龍湯の用法について補足しております。


弁太陽病脈証并治(中)三十八章

太陽中風、脉浮緊、發熱惡寒、身疼痛、
不汗出而煩燥者、大青龍湯主之。
若脉微弱、汗出惡寒者、不可服之。
服之則厥逆、筋惕肉瞤、此爲逆也。大青龍湯方。八。
麻黄六両、去節 桂枝炙二両、去皮 甘草二両、炙
杏仁四十枚、去皮尖
生薑三兩、切 大棗十枚、擘 石膏如鶏子大、砕
右七味、以水九升、先煮麻黄、減二升、去上沫、内諸藥、煮取三升、
去滓、溫服一升、取微似汗、汗出多者、溫粉撲之。一服汗者、停後服。
若復服、汗多亡陽、遂虚、悪風煩燥、不得眠也。

 

和訓:
太陽風に中り、脉浮緊に、発熱悪寒し、身疼痛し、
汗出でずして煩燥するものは
大青龍湯之を主る。
若し脉微弱に、汗出で悪風するものは、之を服すべからず。
之を服すれば則ち厥逆、筋惕肉瞤し、此れ逆と為すなり。
大青龍湯方。八。
麻黄六両、節を去る 桂枝二両、皮を去る 甘草二両、炙る
杏仁四十枚、皮尖を去る 生薑三兩、切る 大棗十枚、擘く 石膏鶏子大の如き、砕く
右七味、水一斗二升を以て、煮て六升を取り、滓を去り、再び煎じて三升を取り、一升を温服し、日に三服す。


太陽中風、脉浮緊、發熱惡寒、身疼痛
太陽中風とあるが、脉浮緊、発熱悪寒、
身疼痛とあるので表実の太陽傷寒となる。

不汗出而煩燥者
邪が表に実し表陽が塞がり滞ったために、
熱の発散する経路が断たれ逆に内に影響を与えたため
煩燥(胸の中が熱苦しく、手足をばたつかせたい気分になる)
が起こったものである。

大青龍湯主之
内外ともに邪実で、外寒内熱の状態である。
表の実寒だけであれば麻黄湯でいいが、
麻黄湯では内熱が清瀉できない。
大青龍湯は麻黄湯の加味方であるため、
外の風寒と内の煩熱の清瀉が
同時にできる方剤が組み合わせてある。

若脉微弱、汗出惡寒者、不可服之
脉微弱で緊を示しておらず、
汗出・悪風という太陽病の表虚証の場合は
大青龍湯を決して用いてはならない。

服之則厥逆、筋惕肉瞤、此爲逆也
大青龍湯は非常に強い発汗剤なので
もし用いれば、発汗過多で
体内の陽気を消耗して陽気が四肢を巡らなくなり
厥逆や津液不足により筋肉が栄養されず、
筋惕肉瞤(痙攣)や冷えが生じる恐れがある。

方義
大青龍湯は麻黄湯の加味方である。

麻黄湯 こちらを参照↓
【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(中)三十五章(麻黄・桂枝・甘草・杏仁

石膏
石膏

石膏
基原:
含水硫酸カルシウム鉱石。
組成はほぼCaSO4・2H2Oである。

石膏は辛甘・大寒で、肺・胃の二経に入り、
甘寒で生津し、辛で透発し、
大寒で清熱し清熱瀉火するとともに
散熱し、
外は肌表の熱を透発し内は肺胃の熱を清し、
退熱生津により除煩止渇するので、
肺胃二経の気分実熱による
高熱汗出・煩渇引飲・脈象洪大、
肺熱の気急鼻扇・上気喘咳、
胃火熾盛の頭痛・歯齦腫痛
口舌生瘡などに、非常に有効である。

 

生薑
生薑

生薑
基原:
ショウガ科のショウガの新鮮な根茎。
日本では、乾燥していない生のものを鮮姜、
乾燥したものを生姜を乾生姜と
いうこともあるので注意が必要である。
生薑は辛・微温で肺に入り発散風寒・祛痰止咳に、
脾胃に入り温中祛湿化飲寛中に働くので
風温感冒の頭痛鼻塞・痰多咳嗽および水湿痞満に用いる。
また、逆気を散じ嘔吐を止めるため、
「姜は嘔家の聖薬たり」といわれ風寒感冒・水湿停中を問わず
胃寒気逆による悪心嘔吐に非常に有効である。

 

大棗
大棗

大棗
基原:
クロウメモドキ科のナツメ。
またはその品種の果実。

甘温で柔であり、
補脾和胃養営安神に働くので、
脾胃虚弱の食少便溏や
営血不足の臓燥など心神不寧に使用する。
また薬性緩和にも働き、
峻烈薬と同用して薬力を緩和にし、脾胃損傷を防止する。
ここでは、脾胃を補うとともに
芍薬と協同して筋肉の緊張を緩和していく。
また、生薑との配合が多く、
生薑は大棗によって刺激性が緩和され、
大棗は生薑によって気壅致脹の弊害がなくなり、
食欲を増加し消化を助け、大棗が営血を益して発汗による
傷労を防止し、営衛を調和することができる。

大青龍湯について
表寒表実であると同時に壅熱が少陽の気機を阻滞しているので
辛温発汗清熱による表裏双解を行う必要がある。
本方は麻黄湯の加味方であり、
麻黄・炙甘草を倍量にし、生姜・大棗・石膏を加えている。
辛温の麻黄を倍加して発汗解表をつよめ、
辛温の桂枝・生姜と宣肺の杏仁の補助により
いっきょに表閉を開いて駆邪外解する。
辛寒の石膏は清熱除煩し、
壅滞した熱を外透し発越させて、少陽気機を開通させる。
辛温薬に石膏を配合すると、
辛温と辛寒の配合によって
寒熱が相殺されるとともに辛味による発散がつよくなる。
それゆえ、辛温発汗薬による
熱勢の助長を防止すると同時に壅熱の開泄を促進する効果が得られる。
炙甘草を倍加し生姜・大棗を加えて、
中気を和し営衛を充盈させ、また石膏による胃気損傷を防止する。

提要:
表実と裏熱の兼証と、その禁忌について

訳:
太陽経が風寒の邪を感受したために、
脈浮緊、発熱悪寒、身体疼痛が出現し、
さらに汗が出てまた悪寒する場合は、
大青龍湯を服用させてはならない。
もし服用させると、四肢厥冷、筋肉が痙攣して跳動が出現し、
治療上大きな誤りを犯すことになる。
大青龍湯方。〔処方を記載〕第八法。
麻黄六両、節を除く 桂枝二両、皮を除く 甘草二両、炙る
杏仁四十個、皮尖を除く 生薑三両、切る 大棗十個、裂く 石膏鶏子の大きさ、砕く
右の七味は、一斗二升の水で、六升になるまで煮て、滓を取り除き、
もう一度煎じて三升もで煮つめ、一升を温服し、一日三回服用。


三十九章

傷寒脉浮緩、身不疼但重、
乍有軽時、無少陰証者、大青龍湯發之。九。

和訓:
傷寒脉浮緩に、身疼まず但だ重く、
乍ち軽き時有り、少陰証無きものは、大青龍湯にて之を発す。九。


傷寒脉浮緩、身不疼但重
傷寒証の場合、浮緊・身疼痛となるべきだが、
浮緩・身体に痛みはないが、ただ重だるさを感じると述べている。

乍有軽時
「乍」は突然に・忽然と。という意。
従って「突然軽くなる時がある」と述べている。

無少陰証者、大青龍湯發之
大青龍湯は
「汗出でずして煩燥する」表寒内熱証に用いるが、
これは一方面であり、他に肌表の水液が
凝滞するような場合にも適用される。
陽気が鬱滞して水滞があるので、
脉は緊から緩に変わり同時に全身の沈重感が現れ、
疼痛を兼ねる事もある。この時に大青龍湯を用いると、
発汗により水邪が排泄されて治癒する。
従って「大青龍湯發之」とは
大青龍湯は表にある水邪を発散することを意味する。
「少陰証」とは、脉沈、小便不利、四肢沈重、疼痛などで
これは心腎陽が虚し水気が裏に
内停した状態であるため、温補して水気を除く。
邪が表にある時は宣発がよく、
邪が裏にある時は温化がよいので
混同しないよう弁証論治の注意を促している。

提要:
三十八章の大青龍湯の用法について補足している


太陽病傷寒証で浮緩の脈が現れ、
身体は痛まずにただ重いと感ずるだけで、
これも時として軽微になることがあり、
そして少陰病の陽虚寒証がないならば、
大青龍湯で発散して邪気を除かなければならない。第九法。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

為沢

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