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こんにちは、大原です。
前回の続きになります。
前回:2018年・2019年の運気(五運六気学説より) その1
前回の復習ですが、
五運六気学説によってどのように
各年の気候の推移を割り出すかと言いますと、
以下のような流れになるということでした。
(1)まず、その1年における気候の特徴を割り出す(「歳運」から)
(2)その1年の中の気候の推移を、
1年を5つに分け五運を配して割り出す。(「主運」と「客運」から)
(3)また、1年を6つに分けた季節の気候変化を割り出す。(「主気」と「客気」から)
前回の記事では上の(1)によって、
2018年の干支は戊戌(つちのえ・じゅつ)であることから、
歳運は火運太過である。(=五行の「火」が強くなる年。)
2019年の干支は己亥(つちのと・がい)であることから、
歳運は土運不及である。
(=五行の「土」が弱くなる年で、かつ「土」を克す「木」が強くなる年。)
さて今回は、上の(2)から、
各年の「主運」と「客運」を求め、
1年の中の気候の推移をみていきたいと思います。
主運とは、1年を5つの期間に区分して
その気候変化を表したもので、
四季と梅雨(=長夏ともいいます)の合わせて五つの季節から成り、
毎年同じ様に推移していくものです。
客運とは、1年を5つの期間に区分し、
その1年の異常な気候変化を表したもので
これは年によって異なります。
ですので、主運とは常
であり、客運とは変
であるといえます。
一年の、期間の分け方は、次のように
一年を五等分します。
・初運:大寒から(73日)→1月下旬〜3月末
・二運:春分後13日目から(73日)→3月末から6月中旬
・三運:芒種後10日目から(73日)→6月中旬から8月末
・四運:処暑後7日目から(73日)→8月末から11月中旬
・五運:立秋後4日目から(73日)→11月中旬から1月下旬
それでは、まず2018年と2019年の主運が
どのようになるのかをみていきます。
主運は毎年、以下のように推移していきます。
ですので、下記のようになります。
・初運:木運(=角)
・二運:火運(=徴)
・三運:土運(=宮)
・四運:金運(=商)
・五運:水運(=羽)
ここで、前回の記事に出てきた「太過」と「不及」についても考えていきます。
2018年は火運太過で、太過の年ですので、
上記主運の初運は
木運の陽から始まることになり、この木運の陽を「太角」といいます。
以下、主運は陰と陽が交互に推移していきます。
(主運が陽なら「太」がつき、陰なら「少」がつきます。)
まとめると、2017年の主運は以下のようになります。
<2018年(火運太過)の主運>
・初運:太角(木+)→「角」とは「触」すなわち「陽気が触動して発生する」の意。「太角」なので、その気が大きい。
・二運:少徴(火−)→「徴」とは「止」すなわち「陽気が盛んにして極まる」の意。「少徴」なので、その気が小さい。
・三運:太宮(土+)→「宮」とは「中」すなわち「中和」の意味。万物を化生する。「太宮」なので、その気が大きい。
・四運:少商(金−)→「商」とは「強」すなわち「堅強」の意。「少商」なので、その気が小さい。
・五運:太羽(水+)→「羽」とは「舒」すなわち「陰尽きて陽が生じ、万物はここより舒発し始める」の意。「太羽」なので、その気が大きい。
次は客運についてです。
客運も、主運と同じ順番で推移していくのですが、
原則としてそのスタートが異なります。
客運のスタート(=初運)が何になるのかは、
十干によります。
2018年は火運太過ですので、
スタート(初運)は火運の太過、
すなわち太徴から始まることになります。
<2018年(火運太過)の客運>
・初運:太徴(火+)→火気が強くなる(→暖かい)
・二運:少宮(土−)→土気が弱く、土気を克す木気が強くなる(→風がよく吹く)
・三運:太商(金+)→金気が強くなる(→草木が枯れやすい)
・四運:少羽(水−)→水気が弱く、水気を克す土気が強くなる(→雨が多い)
・五運:太角(木+)→木気が強くなる(→風がよく吹く)
以上より、2018年は
1年全体としては火運太過で火気が強いことから暖かく(夏は非常に暑く)、
異常気象としては、さきほどの客運の内容からまとめると、
・初運:1月下旬〜3月末 →冬だが暖かい
・二運:3月末から6月中旬 →風がよく吹く
・三運:6月中旬から8月末 →乾燥して草木が枯れやすい
・四運:8月末から11月中旬 →雨が多い
・五運:11月中旬から1月下旬 →風がよく吹いて寒い
となるかと思います。
さて、実際にはどうでしたでしょうか?
今年の夏は暑く、秋もやや暖かくなるようで、
「火運太過」な一年だったといえそうですね。
客運の異常気象についてはどうでしょうか?
洪水や台風による災害が記憶に新しいですが、
気象庁のホームページから
災害の発生した気象情報を抜粋すると
・1月22日~1月27日:関東甲信地方や東北太平洋側の平野部で大雪。日本海側を中心に暴風雪。
・2月3日~2月8日:北陸地方の平野部を中心に日本海側で大雪。
・6月末〜7月上旬:西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨。
・6月28日~7月8日:台風第21号による暴風・高潮等
(気象庁HP:https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/index_1989.html)
とありました。
「三運:6月中旬から8月末 →乾燥して草木が枯れやすい」のところは
大雨だったので、はずれているかな?と思いますが、
それ以外のところは大きくは合っているかな、という印象です。
さて、2019年はどうなるでしょうか?
<2019年(土運不及)の主運>
・初運:太角(木−)
・二運:少徴(火+)
・三運:太宮(土−)
・四運:少商(金+)
・五運:太羽(水−)
<2019年(土運不及)の客運>
・初運:少宮(土−)→土気が弱く、土気を克す木気が強くなる(→風がよく吹く)
・二運:太商(金+)→金気が強くなる(→草木が枯れやすい)
・三運:少羽(水−)→水気が弱く、水気を克す土気が強くなる(→雨が多い)
・四運:太角(木+)→木気が強くなる(→風がよく吹く)
・五運:少徴(火−)→火気が弱く、火気を克す水気が強くなる(→寒くなる)
1年全体としては風がよく吹き、
夏は雨が多く、秋から冬にかけて風が強くて寒気も強く
寒くなりそうな感じがします。
さて、今回は主運と客運で1年間の気候を考えていきましたが、
主気と客気についても合わせて考えなければなりません。
次回に続きます。
参考文献:
『黄帝内経 素問 下巻』 東洋学術出版社
『内経気象学入門』 緑書房
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
大原