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どうも、新川です。
今回は神闕穴を解説致します。
※経穴の効能に関しては、あえて言及せず、
ツボに使われている漢字の語源や別名などをお伝えしたいと思います。
【神闕(任脈)】
●神闕の場所
神闕穴はどこにあるか?
・・ずばり『臍(へそ)』です。
お臍自体がツボなんですね。
臍中、神闕穴也。一名気舎。灸三壮。禁不可刺。
[現代語訳]臍中は神闕穴である。気舎とも呼ぶ。灸は三壮。刺鍼してはならない。(甲乙経より)
上記の一文や、『黄帝内経素問』気穴論篇の王冰注に基づき、
後世の医家達は本穴を禁鍼としております。
ただし、灸法での処置は発展していき、
隔塩灸、ニンニク灸などの間接灸が用いられます。
別名としては、
臍中、気舎、環谷、維会、気合
がございます。
●「闕」の意味
形成
門と音符「欮」とから成り、
高くそびえる城門の意を表す。
①もん。
宮城の門。門外に台を築き、上部は楼(ものみ)で、
中央はくりぬかれて道になっている。むかしは法令をその上にかかげた。
②宮城。天子のいどころ。
●「神」の意味
以前に掲載させていただいた
『神門』穴の漢字解説にも出てきました「神」です。
「神」は
「示」と、いなびかりの意と音とを示す「申」から成り、
もと、雷神・天神の意を表したが、転じて、
広く「かみ」、ひいて、人間わざを越えたはたらきの意を表す。・・・(角川新字源より)
闕とは宮殿にある門のこと。
同じような「門」の中でもより「闕」は位が高いものとして捉えられます。
胎児は臍帯を通して母体から必要なものを受け取っている。
本穴は母体から来る元神(生命維持の元になるもの)が通る門であるという解釈から、
『神闕』と名づけられたといわれておりますので、
生命が育まれる際の重要な役割を担う場所といえます。
参考文献:
『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 下巻—現代語訳』
『黄帝内経霊枢 上巻—現代語訳』
『黄帝内経霊枢 下巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『新字源』 角川書店
『図説 漢字の成り立ち事典』 教育出版
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是非参考文献を読んでみて下さい。