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こんにちは、大原です。
今回も易に関する内容です。前回の記事はこちら
→一陽来復の卦
さて今回は、次の卦についてです。
この卦は「否」または「天地否」などといわれます。
六十四卦は八卦を上下に重ねたもので、
上図の「天地否」は、上卦に「乾(けん)=純陽」が、
下卦に「坤(こん)=純陰」が配置されています。
さて、この卦の意味ですが、易経での説明として
「否之匪人。不利君子貞。大往小来。」
(否はこれ人にあらず。君子の貞によろしからず。大往き小来たる。 )
とあります。
これは陰陽交わらず、万物生じないという卦で、
そのようなことは人道の常ではないという意味合いがあるそうです。
純陽が上にあり、純陰が下にあるため
上下で陰陽が交わらず、
すなわち陰陽が閉塞して万物がその生を遂げないということのようです。
あるビジネスマン向けの本をちらっと読んでみたところ、
「経営状態の悪い会社が、
資金繰りがうまくいっていないにも関わらず
良好なように見せかけるために、
表向きは景気が良さそうにふるまっている状態」が
この「天地否」に相当するといった説明をされていました。
ここでの陰陽とは、
表向き(外見)が陽で
内面が陰であるため、
表向きの景気の良さそうな状態と、
実際の経営状態の悪さとが
まったく合致していないということを
卦を用いて説明されたということです。
経営状態の話ですが、
さまざまな事象を抽象化することで
陰陽の考え方を推し広げられますね。
参考文献:
『易』 中国古典選
『易経』 岩波文庫
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。