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こんにちは、大原です。
前回の記事はこちら↓
金匱要略 臓腑経絡先後病脈証(第1)12条、13条

それでは、
「臓腑経絡先後の病の脈証(第1)」より、
前回の続きからみていきます。

<条文1-14>
問曰、病有急當救裏救表者、何謂也。
(問いて曰く、病に急ぎ当(まさ)に裏を救い表を救うべき者あるは何の謂ぞや。)

師曰、病醫下之、續得下利清穀不止身體疼痛者、急當救裏。
(師曰く、病、医これを下し、続いて下利清穀を得て止まず、身体疼痛する者は、急ぎ当に裏を救うべし。)

後身體疼痛、清便自調者、急當救表也。
(後身体疼痛し、清便自ら調う者は、急ぎ当に表を救うべきなり。)

<意味>
下してはいけないのに医者が誤って下す法を用いたために下痢が止まらない。
そのときに身体が痛い場合は裏を救う治療法(例:四逆湯)をすべきである。
下痢が治まってきたらそこで表を攻める。(例:桂枝湯)
→「先表攻裏」という原則があるが、
この場合は水様不消化便という重篤な裏証があるため
先に裏を救うということになる。

<条文1-15>
夫病痼疾、加以卒病、當先治其卒病、後乃治其痼疾也。
(それ痼疾を病み、加うるに卒病をもってすれば、当にまずその卒病を治し、後すなわちその痼疾を治すべし。)

<意味>
持病があるときには、まず新しい病気を治してから持病を治すべきである。

<条文1-16>
師曰、五藏病、各有得者愈。
五藏病、各有所悪。各隨其所不喜者爲病。病者素不應食、而反暴思之、必発熱也。
(師曰く、五蔵の病、おのおの得る者は癒ゆ。
五臓の病、おのおの悪むところあり。おのおのその喜ばざる所の者に随って病を治す。
病者素(もと)食に応ぜざるに、かえって暴(にわか)にこれを思うは、必ず発熱するなり)

<意味>
五臓には、それぞれの臓の好むものがあるので、
その好むものを与えれば病気が病気が良くなり、好まないものを与えると病気になる。
食欲のなかった病人が急に食欲が出たりすると必ず発熱するのである。

<条文1-17>
夫諸病在藏。欲攻之、當隨其所得而攻之。如渇者、與猪苓湯。餘皆倣此。
(それ諸病は蔵にあり。これを攻めんと欲すれば、当にその得る所に随ってこれを攻むべし。
もし渇する者には猪苓湯を与う。余は皆これに倣う。)

<意味>
あらゆる病の原因は蔵にある。
病が蔵にある場合、その病が何から起こったのかを考えて、それによって治療すべきである。
口渇のある場合に猪苓湯を与えるようなものである。
その他みな、これに準じて治療を行う。

<参考文献>
『金匱要略講話』 創元社
『金匱要略も読もう』 東洋学術出版社
『基礎中医学』 燎原

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

大原

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