下積み修行中の木村さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


月経痛(痛経)②

虚証の月経痛は、
①陽虚内寒証
②気血両虚証
③肝腎陰虚証

以上3つの証がよくみられます。
この3つはともに、月経期または経期後に疼痛が現れ、
疼痛はそれほど激しくなく、
手で押さえると痛みが軽減するという特徴がありますが、
ただし、以下のような違いがあります。

①陽虚内寒証

陽虚内寒証は2種類あります。
1つは陽気不足で寒が裏に入ったために起きるもので、
「陰寒内盛」病機に当たります。
陰寒内盛は、陽気が衰退すれば、
寒邪は表から裏へと伝入しますが、
ときには皮膚を通らず直接裏に入る場合があります。
すると寒邪は滞留して、
陰寒内盛という病理を形成します。
この病機の特徴は、
患者がもともと正虚陽弱である事が多いという点であります。
もう1つは、陽気が虚損した為に、
寒が体内に発生したもので、
これが虚寒であります。
症状と致しましては、
下腹部に冷痛が現れ、
暖めると痛みが軽減します。
さらに、経血の量が少なく、
色は暗淡、腰膝酸軟・畏寒・四肢の冷え・
小便清長などの症状が現れ、
舌質淡暗もしくは紫がかっており、
舌苔白潤、脈沈等の特徴があります。
治療には温経散寒止痛を用います。

②気血両虚証

気虚と血虚による症状・所見が
同時に存在しているものを
気血両虚証というます。
気虚が先にあり、
生血機能が低下して血虚が起こる場合と、
血虚が先にあり、
血が気を養えなくなって起こる場合があります。
気虚症状と血虚証状には偏重があり、
気虚を主としているもの、
血虚を主といているものの両方があります。
症状と致しましては、
下腹部に隠痛が現れ、
手で押さえると痛みが軽減、
または下腹部および陰部に
空墜感があり、
経期後に痛みが激しくなります。
また、経血の色・質ともに薄く、
疲労感・力が入らない・顔色萎黄・
納少・便溏などが現れる場合があり、
舌質淡・舌苔薄白・脈細弱などの症状が現れます。
治療には益腎養肝止痛を用います。

③肝腎陰虚証

肝腎陰虚証は、外邪が深く肝腎まで入ったことや、
七情内傷・久病傷陰・精血不足等の要因により起こります。
腎陰虚から肝に波及して起こるもの、
肝陰虚から腎に波及して起こるものがあります。
また肝腎の陰液が同時に損傷して起こる場合もあります。
肝腎には同時に陰虚が現れやすいという特徴があります。
症状と致しましては、
下腹部に空墜感があり、しくしくと痛み、
腰にはだるく張ったような感覚があります。
経血の色は黯淡で、
量が少なく、質は薄いです。
また、めまい・耳鳴り・潮熱・
盗汗などが現れる場合もあり、
舌苔薄白または薄黄で、
脈細弱または沈細等の症状が現れます。
治療には益腎養肝止痛を用います。

注意しなければならないのは、
月経以外の原因から起きている腹痛も、
経期中に発生したり悪化することがあるという点で、
これは、本節で述べている
月経痛とは異なるものであります。
そのため、臨床では病状についての資料を詳細に集め、
必要なときには全身および婦人科の検査を行い、
誤診・誤治を避けなければなりません。
これ以外に、月経時には腹痛とともに
乳房の張痛・発熱・頭痛・全身の疼痛・泄瀉・吐衄などが
現れる場合が多いです。
この場合は主次を明確に判断し、
疾患の内在的な本質を把握し、
臨機応変に弁証を進めます。


参考文献:
『[実践講座]中医弁証』
『中医学弁証』
『中医病因病機学』 東洋学術出版社

木村

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here