<近日開催予定のイベント情報>
こちらのページに
一般の方向けの講座や学生向け勉強会の予定を
集約しております。ぜひご参照ください。
イベント情報ページ


涼しげな紫陽花(あじさい)
涼しげな紫陽花(あじさい)

こんにちは、大原です。
『黄帝内経 素問』の「素問」とはどういう意味か、
専門学校や各種勉強会などで
「素問とは、素朴な疑問の略です」と聞いたことがあります。
確かに、黄帝が岐伯らに
疑問をぶつけていくという形式で構成されているので、
そうだなあと感じました。

さて、調べてみますと、辞書によれば
・「」とは
もと、糸、繭から取り出したばかりの光沢のある白糸、
転じてかざりけがない、「もと」の意を表す」とあります。
(この意味から、素朴という言葉ができているのですね。)
さらに、
白、染色していない、かざりけがない、形式のともなわない、はじめ、根本になるもの
などの意味があるようです。

・「」とは
口でもののあやを聞き出す意をあらわす」とあります。
さらに
といただす、たずねる、おとずれる、みまう、たより、いいつけ
などの意味があるようです。

また、ある素問の注釈本を確認してみたところ、
さらに詳しく書かれていましたので抜粋します。↓

・「
『説文(説文解字(せつもんかいじ)の略:最古の漢字辞典)』には、
「白き緻繪(こまかいきぬおり)なり。その沢(つや)あるに取るなり」と
解説しているが、上部は垂の変形で、
蚕から取ったままの生糸が一筋ずつ垂れることを示したもので、
「糸十垂の略体」の合意文字である。
「もとのまま」の意で、一筋ずつ別になった糸ということが原義である。

・「
門とは、閉じて中を見えなくする作用をするものであるが、
同時にまた、その間隙を通って出入する所でもある。
問や聞には、狭い間隙をこえて無理に引き出すという意味を含むもので、
わからないことを口でとうで、少しでもわかろうと努力すること、
それが問であり、
耳できいてわかろうとする努力、それが聞である。

素問の意義は
前述のごとく、
素とは「もとのまま」「一筋一筋別々のもの」などの意より
基礎事項の意を含み、
問はわからぬことを引き出すの意であるから、
素問とは今日のコトバを以てすれば
「基礎医学」ということになるのではあるまいか。
その内容から見ても、生理、病因、病理、衛生等に関する事項を解説しているので、
そう解するのが適当であろうと思われる。

続いてこの後に、「霊枢」の意について記されています。
興味のある方はぜひ読んでみてください。


参考文献:
『鍼灸医学大系① 黄帝内経素問』雄渾社
『新字源 改訂版』角川書店

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here