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こんにちは、大原です。
コーヒーについて、
前回の記事で食養生の本をもとに
まとめてみましたが、
(前回の記事:コーヒーについて(食養生の本から))
ではココアはどうでしょうか?みてみましょう。
<ココアについて 『薬膳 素材辞典』より>
【原産地】南アメリカ、メキシコ
【働き】1.補気益心、2.利尿通淋
応用例として、口内炎に対し、ココアの粉末に蜂蜜適量を入れよく練って糊状にし、毎日数回塗る。
【禁忌】肝陽上亢、胃腸虚弱、不眠の者、小児、妊婦
ココアにはカフェインが入っていますが、
コーヒーと比較するとその量は少ないようです。
(インターネットで調べましたが、
コーヒー100ml(粉末2gを溶かした場合)と
ココア100ml(粉末2gを溶かした場合)のカフェイン量は、
それぞれ
・コーヒー:約60mg、
・ココア:約10mgとなるようです。
つまり、普通の濃さのコーヒーとココアを比較すると、
ココアのカフェイン量はコーヒーのおよそ6分の1となります。
ただし、ココアの【禁忌】が、コーヒーと同じです。
このことから、カフェインの量が少ないといっても
コーヒーが合わない体質の方は
ココアも控えた方が良いのではないでしょうか。
さて、ココアの働きをみてみましょう。
「1.補気益心(ほきえきしん)」とは、
五臓の「心」を「益」するとあり、
心の働きのもととなる心気を
益する、すなわち増す働きがあるようです。
「2.利尿通淋(りにょうつうりん)」とは、
小便の出を良くして(=利尿)、
下焦の湿熱を清解し、排尿痛や尿路結石などを改善する(=通淋)
ことをいいます。
前の記事でコーヒーの働きは
「1.昇陽益気、2.利水排尿」とありました。
それとココアを比較すると、
やや似たような働きですが、
ココアには
心気を補いながら下焦の通りを良くするという働きが
コーヒーに比べて特化しているように見受けられます。
ちなみに心気とは、
五蔵の内の「心」の気を言いますが、
「心」は中医学において
・神明(しんめい)を主(つかさど)る
・血脈(けつみゃく)を主る
という働きがあるとされており、
心気が弱ると
血行不足、精神的な不安、元気が無い、動悸
といった症状がみられるようになります。
なんらかの負担によって精神的な疲労が蓄積すると
心気が弱ってしまう可能性もあり、
そのような場合には疲労を取り除くために
十分な休息などが必要になると思いますが、
ココアがその回復に役立つ可能性があるようです。
参考文献:
『薬膳 素材辞典』 源草社
『漢方薬膳学 横浜薬科大学編』 万来舎
『基礎中医学』 燎原
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。