<近日開催予定のイベント>
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→毎週火曜19時〜 または 毎週木曜13時〜 (途中からの参加も可能です。)


講座の様子

6月9日(土)に
一鍼堂内において東洋医学講座を開催いたしました。
その中で、夏場にコーヒーを飲むと身体の負担になりやすい
というお話を、実体験を交えてさせて頂きました。

その理由として、
以下のように説明をさせて頂いたように思います。

「夏の暑気に対して、身体は体内の熱を発散させるために
汗をかいたりしますが、
そのために必要な体内の水分を津液(しんえき)といいます。
コーヒーは利尿作用があることはよく知られていますが、
小便が多くなり津液を消耗することで
発汗のための津液が損なわれてしまい、
結果、津液不足となって熱が発散されにくくなってしまいます。
出てしまう分、たくさん水を飲めば良いというわけでは無いです。」

同じ理由で、お酒(アルコール)についても言えそうです。

その後、気になりましたので、薬膳の書籍から
コーヒーの働きについて確認してみました。

<『薬膳 素材辞典』より>
【性味/帰経】温、甘、苦/肺、肝、胃、脾、心
【常用量】1日に3杯以下
【働き】1.昇陽益気、2.利水排尿
【禁忌】肝陽上亢、胃腸虚弱、不眠症状のある人、小児、妊婦
また、カフェインには軽度の習慣性があるため、
カフェイン禁断頭痛と呼ばれる禁断症状が現れることがあるので注意する。

先ほどは【働き】の
「2.利水作用」については触れていましたが、
「1.昇陽益気」という働きについて少し考えてみます。

「昇陽益気」の「陽」とは陽気のことで、
身体や思考を動かすためのエネルギーと
イメージして頂くと良いかと思います。
カフェインの覚醒作用といったところでしょうか。
うまく働いていない陽気を昇らせて(鼓舞して)、
活動的にするという働きといえます。

しかし、陽気を働かせすぎると
身体は消耗してしまい疲れてしまう傾向になります。
運動を長く続けたりすると疲れてくることと同じです。

陽気が働くためには、
陽に対して陰、すなわち、しっかりした休息や、
身体を動かすための飲食物からのエネルギーが必要になってきます。
もともと休息が取れていなかったりした場合、
一時的には活動的になりテンションが上がるものの、
後で疲れが出やすくなります。

さて、夏場は陽気の強い季節で、
陽気が働きやすい時期になります。
その時期に陽気がうまく働いてない場合、
休息が取れずに疲労が蓄積しているなど
何かしらの負担が出ている可能性が大きいと思います。

そのような状態で
コーヒーを飲んで陽気を働かせようとすると、
やはり一時的には覚醒するものの、
後で疲れがどっと出たり、コーヒー自体が負担となって
さらに負担が蓄積するということになると思います。

参考にさせて頂いた書籍には
「1日に3杯以下」が望ましい量であるとされていますが、
人によって適量は異なってくると思います。
おそらく、テンションが上がり過ぎる量は摂りすぎでしょう。
少し目が覚めた感じがする程度で
止めておくのが良いと思います。

コーヒーは色々な病気の予防にもつながるという話もあり、
身体に悪いか良いのかといった議論の答えは
まだ見えてないように思います。
ですが、体質を考慮して、かつ
量を調節しながら飲むことが必要だと思います。


参考文献:
『薬膳 素材辞典』 源草社
『漢方薬膳学 横浜薬科大学編』 万来舎

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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