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こんにちは、大原です。
前回に続いて
黄帝内経 素問(こうていだいけい そもん)の内容を
みていきたいと思います。

〜Back Number〜
素問 生気通天論篇(第3)から
黄帝内経から考える「健康」 その8
黄帝内経から考える「健康」 その9
黄帝内経から考える「健康」 その10


前々回から、素問の生気通天論篇(第3)の内容をみています。

前回は「陽気とは何か」についての記述をみていきました。
その「陽気」の作用についての記述が
このあと続きます。

<原文>
陽氣者、精則養神、柔則養筋。

<読み>
陽気なる者、
精(せい)なれば則(すなわ)ち神を養い、
柔(じゅう)なれば則(すなわち)ち筋を養う。

<意味>
陽気というものは
その作用が細やかである時は精神の働きを養い、
しなやかである時は肉体的な面で筋の働きを養うものである。

現代の中医学では、陽気とは
「身体を温めたり人体の生理活動を促すため、
体内の水分などを動かす」と言われていますが、
この記述と内容が異なってますね。
これは、前回まで何度も出てきたように、
素問では人と自然との関係について記されており、
自然界の陽気(太陽)を人体の陽気になぞらえているということから、
おそらく陽気とは
人の精神面と結びつきが強いと考えられたのでしょう。

さらに、原文の読み方で、
「神」(しん)「筋」(きん)と、発音が似ています。
これを、韻(いん)を踏むといい、漢文の特徴の一つです。
精神的な面以外に肉体面にも陽気は作用し、
人体に広く作用しているということを
ここでは記したかったのだと思います。

続きます。


参考文献
『黄帝内経 素問』 東洋学術出版社
『意釈黄帝内経 素問』 築地書店
『東洋医学概論』 医道の日本社

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