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どうも、新川です。
今回は百会穴を解説致します。
※経穴の効能に関しては、あえて言及せず、
ここではなぜそのツボがその名称になったのかなどをお伝えしたいと思います。
【百会(督脈)】
●百会はどこにある?
漢字の解説といえども、
経穴の場所は気になるところです。
「百会」穴の場所は
・・・「頭のてっぺん」でございます。
ではなぜ「百会」なのか?
、という前に、
この経穴の別名を見てみましょう。
三陽五会、三陽五兪、外三陽五会、
頂上回毛、泥丸宮、
五会、三陽、
頂上、嶺上、峰上、
維会、天満、天山、白会。
この中で、気になる名称を探ってみます。
「泥丸宮」
内経図に「昇陽府」と共に記されており、
道教では人体各部位の名称に「神」の名前を当てているが、
脳の神の名を精根、字は「泥丸」というところから、
脳=「泥丸」。
ちなみに「宮」は建物、住居、神をまつる所などの意味があります。
●「会」の意味
さらにこちら
「三陽」「五会」
こちらは本穴に交会している経絡を指しております。
三陽:足の太陽膀胱経、手の少陽三焦経、足の少陽胆経
五会:上記の三陽+足の厥陰肝経、督脈
また、頭部は諸陽の経脈が集合するところですが、
ここで、
「百会」の「会」の意味がかかってきます。
会は元々は「會」です。
成り立ちとして、
「旧字は曾(こしき)にふたをかぶせるさまにより、
「あう」ひいて「あつまる」意をあらわす」とあります。
百会穴を称して「百脈之会」といわれるのもうなずけます。
●「百」の意味
・百花繚乱
・百鬼夜行
・百聞は一見にしかず
これらの熟語の「百」は、
『たくさん、多くの』
と解釈されます。
現代の感覚だと、
万、とか億という単位も数が多い時にイメージしますが、
「百」の漢字の成り立ちとして、
「一(数のはじめ)と音符白(大きい意→伯)とから成り、
大きな数、「ひゃく」の意を表す。」(『新字源』 角川書店より)
とされております。
参考文献:
『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 下巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『新字源』 角川書店
『図説 漢字の成り立ち事典』 教育出版
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。