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こんにちは、大原です。
前回に続いて
黄帝内経 素問(こうていだいけい そもん)の内容を
みていきたいと思います。
〜Back Number〜
素問 上古天真論(第1)より
(1年を健康に過ごすために その1)
(1年を健康に過ごすために その2)
(黄帝内経から考える「健康」 その3)
(黄帝内経から考える「健康」 その4)
素問 四気調神大論篇(第2)より
(黄帝内経から考える「健康」 その5)
(黄帝内経から考える「健康」 その6)
(黄帝内経から考える「健康」 その7)
(黄帝内経から考える「健康」 その8)
(黄帝内経から考える「健康」 その9)
前回から、素問の生気通天論篇(第3)の内容をみています。
(黄帝内経から考える「健康」 その9)
前回は「自然界が平穏であれば人も平穏である」という、
人と自然の関係についての考え方を
さらに深めた内容でした。
このあと、人体の「陽気とは何か」というテーマに移っていきます。
<原文>
陽気者、若天与日。失其所、則折寿而不彰。
故天運当以日光明。是故陽因而上衛外者也。
<読み>
陽気なる者は、天と日のごとし。
その所を失すれば、すなわち寿(じゅ)を折(お)りて彰(あきら)かならず。
故(ゆえ)に天運は当(まさ)に日の光明を以(もっ)てすべし。
この故(ゆえ)に陽は因(よ)りて上り、外を衛(まも)る者なり。
人体の「陽気」とは、学校の教科書では
①身体を温める働き
②人体の生理活動を促すため、体内の水分など(これを陰液といいます)を動かす働き
があると教わります。
(①②は、身体の生理機能がスムーズに行われるための重要なものです。)
しかし、素問に書かれている内容はスケールが大きく、
「人の陽気はちょうど天体にある太陽のようなものである。
もし太陽がその正常な働きを失ってしまうと、万物は生存できず、
人体の陽気も正常な状態を失うと
知らず知らずのうちに寿命を早く終えてしまうことになるだろう。
だから、天に高く太陽が輝いて万物に生命力を与え守っているように、
人体の陽気も日中は身体の外にあって防衛しているのである。」
となります。
現在の学校の教科書などは、
素問の内容などをもとにした現代の中医学(東洋医学)の考え方が
記されています。
その大もとである素問の内容をみてみると、
現代の東洋医学の理解が深まりますね。
このあと、さらに「陽気の作用」について述べられています。
続きます。
参考文献
『黄帝内経 素問』 東洋学術出版社
『意釈黄帝内経 素問』 築地書店