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こんにちは、大原です。
今回は、「三十九.産後針の大事(さんごはりのだいじ)」です。
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<読み>
是の習いも印可の上にての相傳事なり。
子産まれ難き時は臍下五寸横骨:此の如く針する時は安く生ず。
産まんと欲していきむ勢い、中極、横骨に聚まる。故に、氣塞がりて産ず。
之に依って右の處に針して聚まる氣を散す時は道開て産まるるなり。散ずる針を用うべし。
又、血暈(けつうん)の時は臍下二三寸、兩腎の間に火曳の針を立て、
上氣を引き下ろす時は、目眩(めまい)止む事妙なり。
たとへ目眩無くとも、三十一日の内に二三度程火曳の針を立てる物なり。
此外の産後の療治口傳多し。
意味としては
この産後の鍼も、印可(精進した弟子に師が力量の証明を与える許可のこと)の上に、
相伝ごと(直接指導をしてその技術を伝えるもの)である。
子どもが産まれにくいときは、臍下5寸の横骨穴に○○○。このように鍼すると産まれやすくなる。
産もうとする力は、中極穴、横骨穴に集まるが、気が塞がることで産まれなくなる。
中極穴や横骨穴に鍼をして、塞がった気を散らすと産道が開いて産まれるのである。
散ずる鍼を用いるとよい。
また、
血暈(けつうん:頭暈・目眩・悪心嘔吐・痰・呼吸切迫・甚だしい場合は神昏口噤
(意識が飛んで口をしっかり結んでしまう)などがおこる産後の症状)が起こったときには
臍下2~3寸の両腎間に火曳の針を立て、上気を引き下ろすと眩暈を治すのに効果がある。
たとえ眩暈がなくても、31日の内に2~3度は火曳の針を立てるものである。
この他にも産後の治療方法に口伝が多くある。
となります。
続きます。
〜Back Number〜
鍼道秘訣集を読む その1 → 鍼道秘訣集序
鍼道秘訣集を読む その2 → 一.當流他流之異
鍼道秘訣集を読む その3 → 二.當流臓腑之辯
鍼道秘訣集を読む その4
鍼道秘訣集を読む その5
鍼道秘訣集を読む その6 → 三.心持之大事
鍼道秘訣集を読む その7 → 四.三清浄
鍼道秘訣集を読む その8
鍼道秘訣集を読む その9
鍼道秘訣集を読む その10
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鍼道秘訣集を読む その12
鍼道秘訣集を読む その13 → 五.四脉之大事
鍼道秘訣集を読む その14
鍼道秘訣集を読む その15 → 六.火曳之針
鍼道秘訣集を読む その16 → 七.勝纍之針
鍼道秘訣集を読む その17 → 八.負曳之針
鍼道秘訣集を読む その18 → 九.相曳之針
鍼道秘訣集を読む その19 → 十.止針
鍼道秘訣集を読む その20 → 十一.胃快ノ針
鍼道秘訣集を読む その21 → 十二.散針
鍼道秘訣集を読む その22 十三.鍼不抜抜事
鍼道秘訣集を読む その23 十四.鍼痛
鍼道秘訣集を読む その24 十五.知必死病者習
鍼道秘訣集を読む その25 十六.吐針
鍼道秘訣集を読む その26 十七.瀉針
鍼道秘訣集を読む その27 十八.車輪之法
鍼道秘訣集を読む その28 十九.実之虚 & 二十.虚之実
鍼道秘訣集を読む その29 二十一.実実 & 二十二.虚虚
鍼道秘訣集を読む その30 二十三.知寒気事
鍼道秘訣集を読む その31 二十四.知腫気来事
鍼道秘訣集を読む その32 二十五.瘧観之大事
鍼道秘訣集を読む その33 二十六.膈之針
鍼道秘訣集を読む その34 二十七.中風針之大事
鍼道秘訣集を読む その35 二十八.亡心之針
鍼道秘訣集を読む その36 二十九.丹毒之針
鍼道秘訣集を読む その37 三十.驚風之針
鍼道秘訣集を読む その38 三十一.疳之針
鍼道秘訣集を読む その39 三十二.瘧毋之針
鍼道秘訣集を読む その40 三十三.一之針
鍼道秘訣集を読む その41 三十四.胃氣有無之大事
鍼道秘訣集を読む その42 三十五.三焦腑之大事
鍼道秘訣集を読む その43 三十六.補瀉之大事
鍼道秘訣集を読む その44 三十七.懐胎血塊観分之大事
鍼道秘訣集を読む その45 三十八.胎前ニ針スル大事
参考文献:
『鍼道秘訣集』(京都大学附属図書館所蔵)より
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00003559
(掲載画像は該当部分を抜粋)
『弁釈鍼道秘訣集』 緑書房
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。