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こんにちは、大原です。
今回は、「懐胎血塊観分之大事(かいたいけっかいみわけのだいじ)」です。

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<読み>
血塊(けっかい)、懐姙(かいにん)の觀分けをしらざる針醫(はりい)は、
懐姙を觀ても血塊なりと云う。

子を立下し、扨(あるい)は胎中の子に針して、
産(うまれ)て後子に疵(きず)ありなどする。
此の針醫の恥なり。

然(しか)りと雖(いえど)も、相傳を受けざれば最もなり。
仍(よっ)て、心底を残さず證(あらわ)す物なり。

臍下兩の腎の間、目付けなり。
指の腹を以って兩の腎の間を診(うかがう)に、
浮(うかび)て和(やわらか)なる丸(まるき)物あるは懐姙なり。

沈(しずみ)て堅(かたき)物あるは血塊に疑い無し。
是れ少の事ながら知ると知らざるとにて大なる違いあり。
此の相傳を知る人は、恥の難を逃(のが)る事大なる利なり。
末の世の記(かたみ)に相傳事書するのみ。

「懐胎(かいたい)」とは胎児のことで、
「血塊(けっかい)」とは血のかたまり、すなわち瘀血(おけつ:血の停滞)
をいいます。
この二つの違いが分からないと、懐妊した状態を瘀血だと誤って判断してしまい、
その誤った判断によって治療をすると
赤ちゃんに傷をつけてしまうということが書かれています。
それほど、この二つを誤って判断してしまうのは
良くないことであるということでしょう。
夢分流の腹診で診るべき場所は、臍下の両腎の間で、
触れた感覚が胎児と瘀血では全く異なるということが記されています。

続きます。


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鍼道秘訣集を読む その1 →  鍼道秘訣集序
鍼道秘訣集を読む その2 → 一.當流他流之異
鍼道秘訣集を読む その3 → 二.當流臓腑之辯
鍼道秘訣集を読む その4
鍼道秘訣集を読む その5
鍼道秘訣集を読む その6 → 三.心持之大事
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鍼道秘訣集を読む その32 二十五.瘧観之大事
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鍼道秘訣集を読む その40 三十三.一之針
鍼道秘訣集を読む その41 三十四.胃氣有無之大事
鍼道秘訣集を読む その42 三十五.三焦腑之大事
鍼道秘訣集を読む その43 三十六.補瀉之大事


参考文献:
『鍼道秘訣集』(京都大学附属図書館所蔵)より
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00003559
(掲載画像は該当部分を抜粋)
『弁釈鍼道秘訣集』 緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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