Strap Phone & イエデンワ
Strap Phone & イエデンワ 出典: engadget日本版より

こんにちは、為沢です。

先日、”フリスクサイズのPHS「ストラップフォン」
誕生!!”というニュースを拝見しました。
画像を見てみると確かにフリスクサイズ…。
また「イエデンワ」なるPHSも発売されるそうです。
実用性については、どうなのでしょうか?
しかし”こんな小さい電話作れんねんぞ!!”といった
日本の技術力や遊び心を見た気がします。
大変意気込みを感じるニュースでした。はい。

では、今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(中)三十四章です。
この章では、誤治により表邪が内伝して裏熱となり、
裏熱挟表邪となった場合について述べています。


弁太陽病脈証并治(中)三十四章

太陽病、桂枝証、医反下之、
利遂不止、脉促者、表未解也。
喘而汗出者、葛根黄芩黄連湯主之。方四。
葛根半斤 甘草二両、炙 黄芩三兩 黄連三両
右四味、以水八升、先煮葛根、
減二升、内諸藥、
煮取二升、去滓、分溫再服。

和訓:
太陽病、桂枝証、医反って之を下し、
利遂に止まず、脉促なるものは、表未だ解せざるなり。
喘して汗出ずるものは、葛根黄連黄芩湯之を主る。方四。

葛根半斤 甘草二両、炙る 黄芩三両 黄連三兩
右四味は、水八升を以て、先ず葛根を煮て、二升を減じ、
諸薬を内れ、煮て二升を取り、滓を去り、分かち温め再服す。


太陽病、桂枝証、医反下之、利遂不止
桂枝湯証には発汗法が原則であるが、
医者が誤って下法を行い、下痢が止まらなくなった。・脉促者、表未解也。
桂枝湯証の脉は本来浮緩であるのに、
促脉を呈しているのは
正気がまだ残っている表邪を追い出そうとしているが、
追い出せないでいる状態である。

喘而汗出者、葛根黄連黄芩湯主之
「喘」とは呼吸困難のこと。
内に入った邪は熱化し上方・肌表に向かい、
これを肺が受けるので「喘」となり、
皮毛が開くので「汗出」となる。

方義

葛根
葛根

葛根
基原:マメ科のクズの周皮を除いた根。
葛根は甘潤・辛散で偏涼であり、
脾胃の二経に入って陽明に作用する。
陽明は肌肉を主るので解肌退熱・透発斑疹に働き、
胃中の清気を鼓舞上行して津液を上承、
筋脈を濡潤して攣急を解除。
生津止渇・止瀉の効能をもたらす。
表証の発熱・無汗・頭痛・項強に対する主薬である。
ただし、発汗の力は強くなく解肌退熱にすぐれているので、
邪欝肌表の身熱不退には
口渇・不渇、有汗・無汗を問わず使用するといい。

 

甘草
甘草

甘草
基原:マメ科のウラルカンゾウ、
またはその他同属植物の根およびストロン。
甘草の甘平で、脾胃の正薬であり、
甘緩で緩急に働き、補中益気・潤肺祛痰・止咳・
清熱解毒・緩急止痛・調和薬性などの性能を持つ。
そのため、脾胃虚弱の中気不足に用いられる。
また、薬性を調和し百毒を解すので、
熱薬と用いると熱性を緩め
寒薬と用いると寒性を緩めるなど
薬性を緩和し薬味を矯正することができる。
ここでは甘緩和中と諸薬の調和に働く。

黄芩
黄芩

黄芩
基原:
シソ科のコガネバナの周皮を除いた根、内部が充実し、
細かい円錐形をしたものを条芩、枝芩、尖芩などと称し、
老根で内部が黒く空洞になったものを枯芩、
さらに片状に割れたものを片芩と称する。
黄芩は苦寒で、苦で燥湿し寒で清熱し、
肺・大腸・小腸・脾・胆経の湿熱を
清利し、とくに肺・大腸の
火の清泄に長じ肌表を行り、安胎にも働く。
それゆえ、熱病の煩熱不退・
肺熱咳嗽・湿熱の痞満・瀉痢腹痛・
黄疸・懐胎蘊熱の胎動不安などに常用する。
また瀉火解毒の効能をもつので、
熱積による吐衄下血あるいは
癰疽疔瘡・目赤腫痛にも有効である。
とくに上中二焦の湿熱火邪に適している。
ここでは、清熱燥湿に働く。

黄連
黄連

黄連
基原: キンポウゲ科のオウレン、
及びその他同属植物の根を
ほとんど除いた根茎。以上は日本産である。
中国産は同属の川連・味連、
雅連・峨眉連、野黄連・鳳眉連、雲連などに由来する。

黄連は大苦大寒で、
寒で清熱し苦で燥湿し、
心・胃・肝・胆の実火を清瀉し、
胃腸積滞の湿熱を除き、清心除煩・消痞・止痢に働き、
湿火欝結に対する主薬である。
それゆえ、心火熾盛の煩熱神昏・心煩不眠、
肝胆火昇の目赤腫痛・羞明流涙、
胃熱の清穀善飢、
腸胃湿熱の痞満嘔吐・腹痛泄瀉などの要薬である。
また、清熱泄火・解毒にも働くので、
疔毒癰腫・口舌潰瘍・湿瘡瘙痒および
迫血妄行の吐血衄血にも有効である。

・葛根黄芩黄連湯について
肌表の邪を外透するとともに裏熱を清する。
主薬は大量の葛根で、陽明肌腠の表邪を透発外散すると同時に、
脾胃の清陽を昇発することにより止瀉に働く。
苦寒の黄芩・黄連は、腸胃の邪熱を直清して止痢する。
炙甘草は甘緩和中の諸薬の調和に働く。
全体で解肌清裏して止痢することができる。

提要:
誤治により表邪が内伝して裏熱となり、
裏熱挟表邪となった場合について述べている。


太陽病を罹って桂枝湯証が出現しているのに
医者が誤って攻下法で治療した結果、下痢が止まらなくなった。
しかし脈来が急促であるから、表証はまだ解除されていない。
同時にまた呼吸が呼吸困難で汗が出ている場合は、
葛根黄芩黄連湯で治療する。処方を記載。第四法。
葛根半斤 甘草二両、炙る 黄芩三両 黄連三両
右の四味は、八升の水で、先に葛根を[水が]二升減るまで煮て、それから
残りの諸薬を入れて、
さらに二升になるまで煮て、滓を除き、二回に分けて溫服する。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

為沢

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