<近日開催予定のイベント>
3月18日(日) :告知!第7回 鍼灸学生の為の勉強会


どうも、新川です。

中府、期門と続きまして、
今回は太白穴を解説致します。
※経穴の効能に関しては、あえて言及せず、
ここではなぜそのツボがその名称になったのかなどをお伝えしたいと思います。


【太白(足の太陰脾経)】

前回の【漢字解説】期門穴の記事にもあるように、
経穴の中でもよく使われる漢字がございます。
(期門の「門」は正経だけで19穴あります。)

今回の「太」も一つや二つではありません。
(太淵、太乙、太白太谿太衝)
あれ?意外と少ないと思いきや、
五穴の内、経穴の中でも重要とされる原穴が四穴(!)もあります。
※括弧内のオレンジ字が原穴

それでは、
「太」ってどのような意味があるのでしょうか。

「太」の意味

「太」
象形指示
もと、大に重複の記号の「=」(のち省略して「 、」となる)をそえて、
大きい上にも大きい意を表す。(新字源より)

とあります。

いつもなら、ここで「白」の意味も考えていきましょうとなりますが、
実は、「太白」という言葉自体に重要な意味がありますので、
そちらを解説していきます。

「太白」の意味

「太白」
①星の名。金星。啓明・長庚(チョウコウ)・明星(ミョウジョウ)ともいう。
②唐の詩人李白の字(あざな)
③大杯の別名
同義語 大白

大白
①純白。純白な旗。
②きわめて潔白、また、その人。〔老子〕
③大きなさかずき。罰杯の名。
④星の名。太白星。金星。

太白の意味①「星の名。金星〜」
というのが、
経穴の書物などでは
由来として有力とされています。

古代中国の天文学
少し話はそれますが、
古代中国では、
暦を作るために天文学が必要とされました。
天体観測の歴史は古く、
今から紀元前4000年(今から6000年前!!)
西水坡せいすいは遺跡に、
貝殻で描かれた虎と竜が向かう方向に北斗七星が描かれておりました。

中国で現存する最も古い歴史書である
「史記」にも
「天官書第五」として、
太白や長庚(宵の明星)の説明が記されております。
興味深いのが、太白がどの位置に出現したり、
どのような見え方をするかによって、
今後の状況を占うということを行っています。

金星は、
地球から見た場合、
季節や時間によって様々な見え方をすることと、
状況によっては昼間でも見ることが出来る明るい星であること。
が特徴として挙げられますが、
これらの特徴を意識しながら、
太白穴を診てみると、また違うイメージが湧いてきそうです!

太白
太白

参考文献:
『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『黄帝内経素問 下巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『新字源』 角川書店
『図説 漢字の成り立ち事典』 教育出版
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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