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こんにちは、大原です。
早いもので明日から二月ですね。
鍼灸の学生さんは体調に気をつけて
試験勉強のラストスパートを乗り切っていきましょう。

さて、今回も東洋医学系の
試験問題を解いてみたいと思います。

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<はり師きゅう師国家試験問題>
第25回 午後問題  (2017年の問題です。)

問題115
睡眠障害をきたす病証と随伴症状の組み合わせで最も適切なのはどれか。

1.心火 − 食欲不振
2.肝火 − 腰痛
3.痰熱 − 胃脘部のつかえ
4.心脾両虚 − 口苦

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さて解いてみましょう。

いかがでしょう、
解けましたか?

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問題文で「睡眠障害をきたす病証」とあります。
教科書をみていきますと
不眠は、内熱により心神が乱れる、
あるいは血虚や陰虚により
心神が養われないことによって起こるものが多い。

なお、入眠困難は内熱によるものが多く、
中途覚醒は血虚によるものが多い。

とあります。
この内容からすると、選択肢1、2、3が該当します。

また、選択肢4の「心脾両虚」ですが、
心脾両虚の説明として
教科書では「脾気虚により血を十分に化生することができなくなると、

心血の量を維持することができなくなり、心血虚となる。
脾気虚が改善されず心血虚を併発された状態を心脾両虚といい、
脾気虚と心血虚が合わさった病証である。」とあり、
さらに「心血が不足して心の機能に影響が及ぶと、心悸や不眠がおこる」とあります。

すなわち、選択肢1〜4どれもが
睡眠障害に該当することになります。

それでは選択肢ごとに
組み合わせが正しいかどうかをみていきましょう。
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1.心火 − 食欲不振
→教科書では、食欲不振がみられる病証として「脾胃虚弱」
または精神的ストレスによるものは「肝の疏泄機能の失調」が
脾胃に影響しているものが多いとあります。

2.肝火 − 腰痛
→腰痛はあらゆる病証でみられる症状ですので
微妙な選択肢だと思いますが
教科書では、腰は腎の府であり腎の病変によるものが多く、また、
経脈の気血不足、瘀血などによっておこるものが多いとあります。

3.痰熱 − 胃脘部のつかえ
→胃脘部のつかえもあらゆる病証でみられる症状です。
痰熱とありますが、これは教科書的には
内湿の邪が内熱・内火などで一定期間停滞し化熱されて
発生するとあります。
また、痰については

特徴的な症状として、咳嗽、動悸、眩暈、頭痛、意識障害、精神障害、
その他、食欲不振、皮膚疾患、運動障害、腫瘍など
多様な症状がおこるとあります。

4.心脾両虚 − 口苦
→口苦は、教科書的には肝胆湿熱によるものが多いとあります。

以上から、微妙な選択肢もありますが、
教科書的に、病証と症状とが直接関係してそうなものは
「3」でしょう。

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さて、邪としての「痰」についてですが、
ある学会誌をみてみますと、
素問や霊枢には「痰」の記載がなく、
医書としてはじめて記述がみられるのは
金匱要略という書物の
痰飲咳嗽病(たんいんがいそうびょう)篇
であるそうで、
そこでは「痰」を「淡」として書かれているようです。

さらに考察を深めていくと、
素問や霊枢の中にも
「痰」に相当する用語として

「唾」や「涎」があてられているようで、また、
「痰」の用語が使われるようになった背景には
仏教が関係しているのでは、
といった考察がなされていました。

「痰」という用語一つをとってみても、
いろいろな考察があり、歴史を感じますね。


参考文献
『新版 東洋医学概論』 東洋療法学校協会
『黄帝内経 素問』 東洋学術出版社
『日本医史学雑誌第39巻3第号、4号 痰の起源』

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