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こんにちは、大原です。
今回は、「疳之針(かんのはり)」です。


現代の読み方に直してみますと
五疳((ごかん)の証、諸書にこれ有り。よって略す。
この中に脾の臓より出ずる疳と號(ごう)して六箇敷(むつかし)なり。
あるいは肝腎の両臓より出ずるもあり。
肝より出ずるは鳥目とて黄昏(ひぐれ)より眼見えざる物なり。
両章門に目を付け邪気を鎮むる節(とき)は病愈ゆる。
脾の臟より出る疳は兩の脾の募、胃の腑に必ず邪氣有りて、
四肢細く痩せ、腹斗(はか)り大になりて食を好む物なり。
両脾の募胃の腑の邪を退くる時は、漸漸に痊ゆる。
療治遅ければ必ず死する物なり。最も難治とす。
図に及ばず。


 

疳の虫について、脾疳(ひかん)と肝疳(かんかん)の
二つについて記されています。

現代においても「疳の虫」とは、
乳児の夜泣き、かんしゃく、 ひきつけなどの症状をいいますが、
その中でも乳児の腹部膨満や異常食欲を
「脾疳」といったりするようです。

さて、脾疳(ひかん)と肝疳(かんかん)についてですが
次のように述べられています。

肝疳:鳥目といって、夕暮れから目が見えにくくなる。
 →両章門を確認し、邪気が鎮まれば癒える
脾疳:手足が痩せて腹はふくれ、食を好む。
 →両脾の募、胃の腑の邪が退けば、少しずつ癒えてくるが、
  治療が遅ければ必ず死に至り、最も治りにくい病の一つである。

続きます。


〜Back Number〜
鍼道秘訣集を読む その1 →  鍼道秘訣集序
鍼道秘訣集を読む その2 → 一.當流他流之異
鍼道秘訣集を読む その3 → 二.當流臓腑之辯
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鍼道秘訣集を読む その32 二十五.瘧観之大事
鍼道秘訣集を読む その33 二十六.膈之針
鍼道秘訣集を読む その34 二十七.中風針之大事
鍼道秘訣集を読む その35 二十八.亡心之針
鍼道秘訣集を読む その36 二十九.丹毒之針
鍼道秘訣集を読む その37 三十.驚風之針


参考文献:
『鍼道秘訣集』(京都大学附属図書館所蔵)より
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00003559
(掲載画像は該当部分を抜粋)
『弁釈鍼道秘訣集』 緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

2 コメント

  1. 鍼道秘訣集のブログ全部読ませていただきました。ありがとうございました。間中先生の本を読んで、夢分流に興味を持って探していたところ、こんなに親切に書いてあるブログが見つかって驚きました。アメリカで鍼灸を学んでいるので、なかなか手軽に古典や日本語の本、日本の先生のお話をきく機会がありません。そんな状況でこのウエブサイトはすごく心強いなあと思いました。新しいことを習うたびにこのウエブサイトに来て、どんなことが書いてあるのか読んでいます。

    • ゆたか愛様

      コメントありがとうございます。
      記事が役立ったようで良かったです。

      ゆたか愛様は
      現在アメリカで鍼灸を学ばれていると拝見しましたが、
      ニューヨーク州などで東洋医学への関心が
      かなり高まっていると伺ったことがあります。

      今後もぜひ参考になさってください!

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