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こんにちは盧です。
先日、オリエント出版の元社長さんに
お会いする機会がありました。
怒濤の時代を駆け抜けた英雄のような方で
当時の武勇伝などいろいろ聞かせて
いただきました。
心が引き締まる思いでした。
霊枢は今日から新しい篇に入ります。
ここでは表題が「厥病」となっている。
「厥」という文字は黄帝内経の中で
最もよく診られる病症の内の一つである。
これについて
「厥、逆也。」(類経)
と説かれており、現代の中医学で言うところの
気逆を表しているものと考えられる。
ただし
「然此厥之為義、乃気逆而以此連彼之謂、
実与、≪素問≫之≪厥論≫不同。」(霊枢注証発微)
と書かれるように
「厥」とは気逆の意味であるが
『素問・厥論』の意味と同じではないため
「厥」は気逆という現象を包括した
もう少し広い病症であると考えられる。
以下、
<原文>
厥頭痛.面若腫起而煩心.取之足陽明太陰.
厥頭痛.頭脉痛.心悲善泣.視頭動脉反盛者.刺盡去血.後調足厥陰.
厥頭痛.貞貞頭重而痛.寫頭上五行行五.先取手少陰.後取足少陰.
厥頭痛.意善忘.按之不得.取頭面左右動脉.後取足太陰.
<書き下し>
厥頭痛、面 腫起して煩心するが如きは、
これ足陽明太陰に取る。
厥頭痛、頭脈痛み、心悲しみ善く泣き、
頭の動脉かえって盛んなるを視るは、
ことごとく血を去り、後に足厥陰を調う。
厥頭痛、貞貞として頭重くして痛むは、頭上の五行を瀉す。
行に五あり。先ず手少陰を取り、後に足少陰を取る。
厥頭痛、意善く忘れ、これを按ずれども得ざるは、
頭面左右動脉を取り、後に足太陽を取る。
「厥頭痛」とは上記の意味に従えば
邪気などが気逆することによって身体の上部に
症状が現れると起こる頭痛のことを言うのであろう。
面若腫起而煩心ー
足之陽明経が顔の前面(面)を通り、
足之太陰経が心中に注ぐため、
この二経を取穴する。
心悲善泣ー
「心悲善泣者、気逆在肝」(類経)
とあり、感情の揺れがおこるのは肝の気逆
によるものであると考えられる。
貞貞ー
堅さを表す表現で、固定痛出あることを指す。
頭上五行ー
霊枢:熱病篇の五十九兪のうち頭部の二十五穴を言う。
「頭上五行行五、即前篇≪熱病≫五十九兪之穴。
所以散諸陽之熱逆也。」(類経)
とあるように
逆気して熱のある者にこの経穴を使う。
参考
【古医書】霊枢:熱病篇 第二十三③
頭面左右動脈ー
「足陽明循頭面左右、動在客主人及大迎、皆脾気所至。」(太素)
客主人は今の上関穴、現在は足少陽経であるが
当時は足陽明経の流注でもあった。
現代医学で言うところの浅側頭動脈と顔面動脈の
ことをいうのであろう。
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参考文献
『黄帝内経霊枢 上』東洋学術出版
『霊枢講義』学苑出版
『素問攷注』日本内経医学会・北里研究所東洋医学総合研究所医史学研究部 共編