「巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ思はな 巨勢の春野を」
坂門人足
下野です。
今回は【植物探求】の第2回目で、
椿について書いていきます。
椿は
ツバキ科ツバキ属の植物で、
冬から春にかけてが花期となり、
早咲きのものでは冬のさなかに咲く種もあるようです。
日本や中国、東南アジアが原産で、
つややかな葉から「艶葉木(つやばき)」、
光沢のある葉から「光沢木(つやき)」等
葉が美しいところから
ツバキという和名がついたとされており、
古くは『日本書紀』に記録が残されているようです。
18世紀にはヨーロッパへ伝えられたようで、
日本独自の椿油をはじめ、
工芸品や櫛、また将棋の駒にも使われているようです。
中国では「山茶」と記し、
日本では山茶花(サザンカ)がこの字を使います。
日本の「椿」は国字であるので、
中国で「椿」と書くと別の植物になるそうです。
つまり
中国から入って来た東洋医学では
「山茶」と言う名前の生薬が「椿」のことだとされています。
山茶は
花には滋養強壮、胃を健康にし、腸を整える作用があり、
葉には止血効果があり、擦り傷や切り傷等に用い
種子はよく耳にする椿油となります。
一鍼堂近くの植物園には
色んな種類の椿がありますので、
ご興味のある方は是非訪れてみてはいかがでしょうか。
<参考文献>
『薬用植物辞典』 NTS
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。