12月20日(水)
(140条)
太陽病、下之、其脈促、不結胸者、此為欲解也。
脈浮者、必結胸也、脈緊者、必咽痛。
脈弦者、必両脇拘急。脈細数者、頭痛未止。
脈沈緊者、必欲嘔、脈沈滑者、協熱利。
脈浮滑者、必下血。
太陽病に対して下法を用いた後の脈象に対する、
症状がそれぞれ記されている。
ただ、最初の文章をみてみると、
「促脈の場合は結胸にならず、解する法(発汗法)をもって治す」とある。
発汗法を用いるのは原則的に表証であり、脈浮の場合である。
他の文章も、脈と症状が一致しないように思われるものがいくつかある。
1749年の医宗金鑑では、
これらは錯簡であるとして
脈象が促ではなく浮であると訂正している。
このような訂正は、本条では5箇所あり、
訂正したものを確認すると
現代の中医学の内容に沿ったものとなり理解しやすい。
しかし、原文の内容を、簡単に錯簡であるとすると、
原文の意図から離れてしまうことも多い。
まずは原文の内容を噛み砕いていくことが重要である。
たとえば、促脈は胃の気がしっかりしている脈であり、
そのために結胸とならないとする解説もある。
また、傷寒論に書かれている脈象については、
傷寒論第1「弁脈法」を確認することが重要である。
医宗金鑑の中で
傷寒論の条文を訂正すべきものとした背景には、
作者が、この時代の背景なども踏まえ
後世に伝えたい内容を記すために
あえて訂正したのかも知れない。
参加者:下野、新川、大原、盧