12月13日(水)
(139条)
太陽病、二三日、不能臥、但欲起、心下必結、脈微弱者、此本有寒分也。
反下之、若利止、必作結胸。
未止者、四日復下之、此作協熱利也。
太陽病にかかって二・三日、横になっていられず起きたがり、
心下に結して脉が微弱の場合、これは病のおおもとは寒にある。
これに対して下法を用いた場合、下痢がもしやめば結胸となる。
まだ下痢が止まずに4日経過し、また下法を行うと協熱下痢となる。
さて、太陽病にかかった場合は脈は浮緊などとなるはずであるが、
この条文では微弱であり、中気に裏虚があることが窺える。
すなわち、「病のおおもとは寒にある」という寒は
虚寒であるといえる。
これに対して下法を用いて、もし下痢が止んだ場合、結胸をなすとあるが、
下法によって表邪が内陥して結胸となると思われる。
131条に結胸の定義として
「病発於陽、而反下之、熱入因作結胸
(病が陽に発して、下し、熱が入って結胸ができる)」とあったが、
本条では一見、熱についての記述がないように思われ疑問が浮かぶ。
しかし太陽病で心下が結している場合に
熱化した邪が胸郭にあるということではないか。
これに下法を用いた場合、熱化した邪が結胸をなすのではないだろうか。
協熱下利とは、裏寒と表熱が協して下痢を起こさせるものである。
ちなみに160条では
桂枝人参湯で協熱下利を治す内容が記されているが、
これは表熱と裏熱を除くために用いられるようである。
参加者:下野、新川、大原、盧