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(138条)
小結胸病、正在心下、按之則痛、脈浮滑者、小陥胸湯主之。

小結胸は、心下に病があり、
押さえると痛みがあり、脈は浮・滑であり、
小陥胸湯がこれを主るという内容である。
前条までは、大陥胸湯が主るいわゆる大結胸証についてであった。
この条文では、大結胸証と小結胸証の違いが簡潔に述べられている。

正在心下、按之則痛 ←大結胸証では従心下至少腹、鞕満而痛 (137条)
→痛みの範囲や痛み方は、小結胸の方が狭く浅い。

脈浮滑者 ←大結胸証では脈沈而緊(135条)
→脈の出方も浮で滑とあることから、病位は浅いことが窺える。
ちなみにこの「滑」とは、
「緊」の中に「滑」があるのだという解説もある。
緊脈とは、ここでは邪が結ばれていることを
意味していると思われるが、
その結ばれる程度が、小結胸の方が弱いということだろう。

参考として、
温病条弁では「承気合小陥胸湯」という方剤が記されており、
温病にて三焦に急な大熱がみられ、
痰濁と上焦で結ばれるという状態のときに用いるとある。


参加者:下野、新川、大原、盧

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