こんにちは、為沢です。
今回は東洋思想・医学に由来する
日本のことわざや慣用句を御紹介して参ります。
「病は気から」
意味:
病気は、その人の心の持ち方しだいで軽くもなるし、
また重くもなるということ。
出典:
『大辞林 第三版』三省堂
中国のことわざにも
「病打心上起」という言葉があるようで、
意味は”病情好坏在于情绪”
とあり、心持ちが良くないと病になるものだ
というように解釈されます。
ここでいう”気”の解釈ですが、
心の持ち方しだいと言ってるので
精神活動のことを指しています。
しかし、これは現代的な解釈であって、
古典の『素問』にある挙痛論篇には
“百病生於気也“という一文が出るように
様々な病は気の変調によって生まれると言ってます。
本来”気”というものは
精神的な活動だけに留まらず
体を栄養したり温めたり守ったり、
様々な活動を担っているわけで、
古くから伝わる本来の意味は
「気の機能が阻害されたり、弱ってしまうと病になるぞ!」
という意味にあたります。
(現代西洋医学の解釈は気という概念がないので、気=精神作用と解釈されたのでしょうね。)
従って「病は気から」
は決して精神面だけを言及しているわけではないです。
現代ではこんな風に解釈されてるよと
古人に言ったら叱られるでしょうね(笑)
そもそもことわざとは、
昔は現在と比べ教育の機会や印刷物の普及が少なかったことから、
古人の知識や知恵・経験の伝承は口伝で行われていたので、
どの国のことわざも簡潔な表現にまとめられております。
簡潔な表現だからこそ口伝では
解釈がズレるのは致しかたないところはありますが、
こうやって東洋医学の眼鏡を通して考えてみると、
解釈が深くなって面白いです。
為沢