こんにちは盧です。
今年も一鍼堂にクリスマスツリーがやってきました。
ふだんは厳しいことの多い現場ですが、ツリーを見ていると
すこし心安らぐようでありました。

今日は、途中で止まっていた『霊枢』を読んでいきたいと思います。


「所謂五十九刺者.
兩手外内側各三.凡十二痏.
五指間各一.凡八痏.
足亦如是.
頭入髮一寸傍.三分各三.凡六痏.
更入髮三寸邊五.凡十痏.
耳前後口下者各一.項中一.凡六痏.
巓上一.顖會一.髮際一.
廉泉一.風池二.天柱二.」

現代語訳:
いわゆる五十九刺は、両手の外側と内側に各三つ
あわせて十二穴あり、
五指の間に各一つあり、あわせて八穴
足もまたこれに同じ、
頭の生え際から一寸のところに左右三か所
あわせて六穴、
さらに髪の生え際から三寸のところに左右五か所
あわせて十穴、
耳の前後、口の下はそれぞれ一穴、項中に一穴、
あわせて六穴、
頭の頂点に一穴.顖会一穴、髮際に一穴.
廉泉一、風池二、天柱二、


  • 手の十二穴とは
    太陽経の少澤、少陽経の関衝、陽明経の商陽、
    太陰経の少商、厥陰経の中衝、陽明経の商陽。
  • 手の八穴とは
    太陽経の後谿、少陽経の中渚、陽明経の三間、
    少陰経の少府。
  • 足の八穴とは
    太陽経の束骨、少陽経の足臨泣、陽明経の陥谷、
    太陰経の太白。
  • 頭の六穴とは
    太陽経の五処、承光、通天。
  • 頭の十穴とは
    少陽経の頭臨泣、目窓、正営、承霊、脳空。
  • 耳前後、口の下に各一穴、項中に一穴とは
    聴会、完骨、左右各二穴、あわせて四穴
    任脈の承漿、督脈の瘂門の
    あわせて六穴。
  • その他
    百会、顖会、神庭、風府、廉泉、各一穴
    風池、天柱、各二穴
    あわせて、九穴。

合計五十九穴である。(類経より)


五十九刺とは、本編のタイトルからも
推察出来る様に熱病に対する五十九刺である。

また『素問・水熱穴論』にも同じく
熱病に対する五十九刺があるが
経穴の部位が違う。

これについて
明代の名医・張景岳は『類経』でこう述べる。
「本篇で述べるものは(経穴が)四肢に多い。
思うに瀉熱の本であると言えるだろう。
また『素問・水熱穴論』で書かれている
熱病五十九刺は多くが邪のあるところに
従って取穴されている。
思うにこちらは瀉熱の標と言えるだろう。」
和訳:盧)

また渋江抽斎の『霊枢講義』では
「黄帝内経太素では六十三穴であり、
五十九は大数を挙げているに過ぎず、
その意味はまだよくわからない」
(和訳:盧)
として五十九の数字に意味がある可能性を示唆している。


参考文献
『霊枢講義 上』学苑出版
『素問攷注』日本内経医学会 北里研究所東洋医学総合研究所医史学研究部 共編
『現代語訳・黄帝内経霊枢 上』東洋学術出版

今年もやってきました
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