あけましておめでとうございます、為沢です。
2018年ですね。
やっと2017年に慣れてきたところなのに、もう18年だそうです(笑)
あと、私お正月休みは毎年のように風邪引いてしまうのですが、
今年は大丈夫なのでしょうか?(笑)
(このブログは2017年の年末に作ってます)
…大丈夫なことを願っております。
今年も一年 宜しくお願い申し上げますm(_ _)m
今回は張景岳の『質疑録』の第五章「論見血無寒」の其の二です。
和訓:
夫れ六氣の人を使て失血せしむとは、此れ外感の邪爲るを言うなり。
然るに外邪の来ること、未だ内傷に由らざる者はなし。
如し憂愁思慮すれば則ち心を傷り、飲食労倦は則ち脾を傷り、
重き持ちて遠行すれば則ち肝を傷り、
形寒にして冷を飲すれば則ち肺を傷り、入房過度なれば則ち腎を傷る。
五臓の傷らるるところ有りて、而る後に外邪の虚に乗じて襲入す。
故に凡そ失血を治すには、必ず先に其の風爲るか、
寒爲るか、暑爲るか、湿爲るか、燥爲るか、火爲るか、審らかにし、
先に外感を清し、次に内傷を理すれば、則ち邪は伏し易くて療し易し。
若し標を治するを先にせずして本を救わんとし、凡そ一切の失血は一火の専主となし、
日事に芩、連、知、柏、山梔、生地、丹皮を以て治とするは、
未だ其の能く人を愈すを見ざるなり。
血は熱を得れば則ち行き、寒を得れば則ち凝む。
寒凉の剤を日ごとに進め、而して血の屢ば止み屢ば發する者は、往往にして劇し。
此れ吐血の病の死は、病に死せずして医に死するなり。悲しきかな。
・六気(外感の六淫の邪)は失血症を起こすものであるが、
これは外感の邪について論じているものである。
しかし外邪が侵入するには常に内傷が前もって存在するからで、
内傷には5つの種類がある。
・憂愁思慮による傷心
・飲食労倦による傷脾
・重い物を持って遠出する、すなわち過重な労働による傷肝
・形寒冷飲(寒証の人が冷たい物を多く摂取すること)による傷肺
・房事(性交)過多による傷腎
これら五臓に内傷が存在するため正気が虚し、
その正気の虚に乗じて外邪が侵入する。
・失血の症の治法は先ず外感の性質(風・寒・暑・燥・湿)を明らかにし、
その外感の邪を除去し、それから内傷の治療をすれば
外邪も除かれ易いし、失血症自体も治りやすい。
・もし外感の邪を除くという標治を先に行わず、
内傷を治そうとする本治を行ったり、
また全ての失血症は火邪のみによると考えて
黄芩・黄連・知母・黄柏・山梔子・生地黄、牡丹皮のような
清熱の薬ばかりを用いるような治療をしても
患者がよく治ったということがほとんどない。
・血は熱を得ればよく巡行するが、寒を得れば凝滞しやすくなる。
寒凉の性の方剤を毎日服用させ、それで出血が止んだり
また出たりということを繰り返している病は、往々にして重篤である。
このように吐血の病で死ぬのは、病によって死んだのではなく
医によって死んだのである。まことに悲しいことだ。
参考文献:
『中国医典 質疑録』 緑書房
『中国医学の歴史』 東洋学術出版社
『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
為沢