こんにちは、新川です。

先日、数年ぶりに
京都観光へいってきました。
目的地は鞍馬。
残念ながら、本物の天狗には会えませんでしたが、
よく歩き、リラックスできました(笑)

鞍馬の天狗
鞍馬の天狗

さて今回は、
平人気象論篇についてです。


今回は、平人気象論篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。


【平人気象論篇 第十八】

平人とは、
気血の平常な健康な人を意味する。
気象の「気」とは、脈気を指し、「象」とは脈の形象の意味である。

黄帝が問う。
「健康な人の脈象はどのようか。」
岐伯が答える。
平〔常な〕人の脈搏は、
一呼する間に搏動二回、一吸する間にまた搏動二回で、
一呼一吸を一息といいます。
一息ごとに搏動四回ですが、息と息との間も入れると五回です。

ただ息の長い人は五回に止まりません。
以上は平人を指していったものです。
いわゆる平人とは健康な人の意です。
診脈の法則では、かならず平人の呼吸をもとにして病人の脈搏を調べなければなりません。
医師は健康な人ですから、自分の呼吸を調えてそれをもとに病人の脈の搏動数を調べるのです。」

平人の正常な脈と呼吸の気は胃からもたらされます。
だから胃気があるということは、
それが平人の正常な脈と呼吸の気であることを示すものです。

人の脈と呼吸に胃気がなければそれは逆象であり、
逆象が現れるということは死証を意味します。
の脈象が弦脈の中に穏やかな胃気を帯びていれば、
このような脈を平脈とよびます。

の脈象が鉤脈の中に穏やかな胃気を帯びていれば、
このような脈を平脈とよびます。
→鉤:脈が洪・大で、来るときは盛んで、退くときには衰えている現象をいう。
王冰の説「前方は力強く曲がり、後方はまっすぐで、
ちょうど帯鉤〔おびがね〕を手にとったときのようである。」
長夏の脈象が微かで弱々しく、しかも胃気があれば、
このような脈を平脈とよびます。

の脉象が微かな毛脈で、しかも穏やかな胃気の象があれば、
このような脈を平脈とよびます。
→毛:脈の打ちかたが軽く虚ろで、浮いており、
指先に触れる感じはちょうど毛の上を押さえたときのような状態をさす。
王冰の説「秋の脈である。ものが浮いているような毛が風に吹かれているような
の脉象が沈象の石脈の中に穏やかな胃気があれば、
このような脈を平脈とよびます。
→石:脈の打ちかたが石が水に沈んでいるときのように重く沈潜しているのである。
馬蒔の説「冬には腎脈が必ず石を主として搏動する。
まるで石が水に沈んでいるようである。」

「・正常な心脈の打ちかたは、
真珠がころころと連続して転がり流れるように、
あるいは琅玕(翡翠)のような美玉を撫でさするように潤滑です。
このような脈を心の平脈といいます。
〔この心脈が現れる〕夏は胃気が基本です。
正常な肺脈の打ちかたは軽く浮いており、
虚ろで軟らかで、速からず遅からず
あたかも楡(ニレ)の莢(さや)が落ちるように穏やかです。
このような脈を肺の平脈といいます。
〔この肺脈が現れる〕秋も胃気が基本です。
正常な肝脈の打ちかたは、
あたかも長い竹竿の先端のようしなやかに揺れ動いています。
このような脈を肝の平脈といいます。
〔この肝脈の現れる〕春も胃気が基本です。
正常な脾脈の打ちかた、
穏やか柔らかく斉一で、
ゆったりとしかも規則正しく
あたかも鶏が一歩一歩ゆっくりと地を踏むときに似ています。
このような脈を脾の平脈といいます。
〔この脾脈の現れる〕長夏も胃気が基本です。
正常な腎脈の打ちかたは、
あえぐように次々に脈打ち、速やかでかつ円滑
あたかも心の鉤脈のようであり、
按じると水に沈んだ石が指に触れるようであるのは、
腎の平脈です。
〔この腎脈が現れる〕冬も胃気が基本です。


黄帝問曰、平人何如。
岐伯対曰。人一呼脈再動、一吸脈亦再動。呼吸定息脈五動、閏以太息。命曰平人。
平人者、不病也。常以不病調病人。医不病。故為病人平息以調之為法。
人一呼脈一動、一吸脈一動、曰少気。
人一呼脈三動、一吸脈三動而躁、尺熱曰病温。
尺不熱、脈滑曰病風。脈渋曰痺。人一呼脈四動以上曰死。脈絶不至曰死。乍疏乍数曰死。

平人之常気稟於胃。胃者平人之常気也。人無胃気曰逆。逆者死。
春胃微弦曰平。弦多胃少曰肝病。但弦無胃曰死。
胃而有毛曰秋病。毛甚曰今病。蔵真散於肝。肝蔵筋膜之気也。夏胃微鈎曰平。鈎多胃少曰心病。但鈎無胃曰死。
胃而有石曰冬病。石甚曰今病。蔵真通於心。心蔵血脈之気也。長夏胃微耎弱曰平。弱多胃少曰脾病。但代無胃曰死。
耎弱有石曰冬病。弱甚曰今病。蔵真濡於脾。脾蔵肌肉之気也。秋胃微毛曰平。毛多胃少曰肺病。但毛無胃曰死。毛而有弦曰春病。弦甚曰今病。蔵真高於肺、以行栄衛陰陽也。
冬胃微石曰平。石多胃少曰腎病。但石無胃曰死。石而有鈎曰夏病、鈎甚曰今病。蔵真下於腎。腎蔵骨髄之気也。

胃之大絡、名曰虚里。貫鬲絡肺、出於左乳下。其動応衣、脈宗気也。
盛喘数絶者、則病在中。
結而横、有積矣。絶不至曰死。乳之下、其動応衣、宗気泄也。

欲知寸口太過与不及。寸口之脈中手短者、曰頭痛。
寸口脈中手長者、曰足脛痛。
寸口脈中手促上撃者、曰肩背痛。
寸口脈沈而堅者、曰病在中。
寸口脈浮而盛者、曰病在外。
寸口脈沈而弱、曰寒熱及疝瘕少腹痛。
寸口脈沈而横、曰脇下有積、腹中有横積痛。
寸口脈沈而喘、曰寒熱。
脈盛滑堅者、曰病在外。脈小実而堅者、病在内。
脈小弱以濇、謂之久病。脈滑浮而疾者、謂之新病。
脈急者、曰疝瘕少腹痛。脈滑曰風。脈濇曰痺。緩而滑曰熱中。盛而緊曰脹。
脈従陰陽、病易已。脈逆陰陽、曰病難已。脈得四時之順、曰病無他。脈反四時及不間蔵、曰難已。臂多青脈、曰脱血。
尺脈緩濇、謂之解[イ亦]安臥。
脈盛、謂之脱血。尺濇脈滑、謂之多汗。尺寒脈細、謂之後泄。脈尺麤常熱者、謂之熱中。
肝見庚辛死。心見壬癸死。脾見甲乙死。肺見丙丁死。腎見戊己死。是謂真蔵見皆死。

頸脈動、喘疾咳、曰水。目裏微腫、如臥蚕起之状、曰水。
溺黄赤、安臥者、黄疸。已食如飢者、胃疸。面腫曰風、足脛腫曰水。目黄者曰黄疸。
婦人手少陰脈動甚者、妊子也。脈有逆従四時、未有蔵形、春夏而脈痩、秋冬而脈浮大、命曰逆四時也。
風熱而脈静、泄而脱血脈実、病在中脈虚、病在外脈濇堅者、皆難治。命曰反四時也。
人以水穀為本。故人絶水穀則死。脈無胃気亦死。所謂無胃気者、但得真蔵脈、不得胃気也。
所謂脈不得胃気者、肝不弦、腎不石也。太陽脈至、洪大以長。少陽脈至、乍数乍疏、乍短乍長。陽明脈至、浮大而短。

夫平心脈来、累累如連珠、如循琅玕、曰心平、夏以胃気為本。
病心脈来、喘喘連属、其中微曲、曰心病。
死心脈来、前曲後居、如操帯鈎、曰心死。
平肺脈来、厭厭聶聶、如落楡莢、曰肺平。
秋以胃気為本。病肺脈来、不上不下、如循鶏羽、曰肺病。
死肺脈来、如物之浮、如風吹毛、曰肺死。
平肝脈来、耎弱招招、如掲長竿末梢、曰肝平。
春以胃気為本。病肝脈来、盈実而滑、如循長竿、曰肝病。
死肝脈来、急益勁、如新張弓弦、曰肝死。
平脾脈来、和柔相離、如鶏践地、曰脾平。
長夏以胃気為本。病脾脈来、実而盈数、如鶏挙足、曰脾病。
死脾脈来、鋭堅如烏之喙、如鳥之距、如屋之漏、如水之流、曰脾死。
平腎脈来、喘喘累累如鈎、按之而堅、曰腎平。
冬以胃気為本。病腎脈来、如引葛、按之益堅、曰腎病。
死腎脈来、発如奪索、辟辟如弾石、曰腎死。


参考文献:
『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア

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