<近日開催予定のイベント>
12月6日(水) :告知!第6回、鍼灸学生の為の勉強会


(135条)
傷寒六七日、結胸熱実、脈沈而緊、心下痛、按之石鞕者、大陥胸湯主之。

脈が「沈緊」とはどのような状態なのだろうか。
結胸は水邪と熱邪によるもので、痰飲のように、
浮滑のような脈をイメージしがちである。
しかし、結胸とは、水邪と熱邪が結びついたもので、
痰陰が裏へ入り込み、陰証に進行たものである。
そのために脈は沈むのであろう。
(痰飲については金匱要略第12に記述があり参考にすべきである。)
このことから、結胸に対して治療を行った場合、
脈が沈から浮に出てくれば結びついた邪がほどけたとみなして良いだろう。
ここで治療のポイントは、

(136条)
傷寒十余日、熱結在裏、復往来寒熱者、与大柴胡湯。
但結胸、無大熱者、此為水結在胸脇也。但頭微汗出者、大陥胸湯主之。

熱邪が裏にあり、往来寒熱の状態であれば
陽明と少陽の邪をとる大柴胡湯を与えるべきであり、
大きな熱が無く、結胸をなしている場合は大陥胸湯が主る。
大陥胸湯と大柴胡湯の鑑別を注意すべきであるという内容である。

熱邪が胸部にて結ばれているために熱が発散されず、頭からのみ発汗がある。
しかし、その熱は陽明の熱ではないため、微かな汗であるということだろう。

ここで疑問が残る。「往来寒熱」とは悪寒と発熱を交互に繰り返すものであるが、
臨床においてどのように判断すべきであろうか。
問診で「寒気と熱感が交互にくる」と患者さんが話されるイメージがあまりない。
少陽の邪とはどのようなものか、腹證奇覧などの文献で再度確認を行うと、
胸脇、肝相火、などに邪が診られるとある。
今後の課題である。


参加者:下野、新川、大原、盧

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